ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

日日雑記

文字通り、身辺雑記の雑文です。エッセーと称する自信はありません。本に関する雑文であることも多いので、<小説>など他のカテゴリーと重複していることもあります。

くーの文章講座? いや酔ったついでの戯言

このブログをよく訪ねてもらうともこ (id:jlk415)さんから前回、こんなコメントを頂きました。 「美しい」「感動した」などの言葉を使わずにどう表したらいいものか、考えがなかなか浮かばない。 その思い、よく分かります。わたしがいつも気にかけているこ…

一語多義の豊かさについて愚考する 〜「源氏物語」瀬戸内寂聴訳その9(番外編)

書庫であり、書斎であり、アトリエでもあり、見方を変えれば整理不可能なあきれた物置、そして夜毎独り呑みの空間である6畳の部屋。そこにある机上、および手が届く範囲には常時4、50冊の本が積まれているか並んでいます。未読のいわゆる<積読本>がある一…

最先端の図書館と昭和の町の図書館

巨大図書館で思い浮かぶのは日本なら国立国会図書館ですが、個人的にはもう1館、紀元前に創立されたエジプトのアレクサンドリア図書館です。ギリシャ、ローマ時代の学術のシンボルとも言える古代施設でした。 なぜそんな図書館が思い浮かぶのかは、たぶん...…

絵を描いて、歯痒く、面白く

絵を描く面白さって何だろう。 よく自問してみるのですが、これがなかなか難しい。そもそも表現行為の「面白さ」とはどんな要素で構成されているのかー、なんて考えること自体が興醒めで愚かなことなんだけど。 ところが分かっていながら、また考えてしまう…

テロルが残したもの

「新盆を迎えた人」とは、この1年間に亡くなり、初めてあの世からわが家に戻る人のことです。それぞれの家が送り火で、ご先祖さまたちを再びあの世に送ればお盆が明けます。 まさか今年、新盆を迎える人の中に加わると想像もしていなかったのが安倍晋三元首…

今日あった3つのいいこと

今週のお題「最近あった3つのいいこと」 最近あった3つのいいこと 玄関の郵便受けに、町内のラジオ体操の案内が入っていました。 わたしが暮らす近隣は、夏休みになると近くの公園で朝のラジオ体操が始まります。近年は子供だけでなく大人、とりわけ高齢者の…

まだ蝉の鳴かない夏

早い梅雨明けと猛暑。昨日から台風の雨で一服しましたが、追いつけないのが蝉です。 雨は夜半にあがって曇り。午後、陽が差し、風は心地良い。台風で猛暑はひと休み。渇水が心配された地域には、恵みの雨になりそうでよかった。 今年は6月から35度を超え、真…

最後のコラム

梅の読みは「うめ」または「ばい」だ。雨を付けて「つゆ」と、例外的な読ませ方をするのが梅雨である。手元の歳時記によれば、梅の実が黄熟するころだからその字を当てるという。 昭和40年代まで母が梅干しを作った。風通しのいい納屋の土間に、陰干しされた…

永井荷風の「断腸亭日乗」と、今日

昨日から、わたしが住む地も梅雨入りしました。 今朝は午前6時起床。なぜか、あまり思い出したくないかつての上司が出てくる夢を見て目が覚め、眠れなくなりました。こんな早起きは久しぶり。 曇り、ときどき細かい雨あり。 昼まで絵を描き、午後は買い物。…

短信

くーの墓が、完成しました。 花壇の底に散骨し、土で埋葬。園芸店で買った花苗を植えました。 夏には、満開に広がるでしょう。もう、来年はどんな花を植えようかと、そんなことまで考えています。 なんだか少し、気持ちの整理がついて、新しい時に入っていけ…

墓を積む

先週から、筋肉痛に苦しみながら没頭していたのはレンガ積みでした。 一昨年11月に逝ったオスのラブラドール・くーの墓を積もうと思い立ったのです。単なる墓標ではつまらないので、花壇を作って墓にし、土の中にくーの骨壷を埋葬しようと考えました。 15歳…

ブログ開設3年の節目に

ふと気づけば5月23日、このブログを始めてちょうど3周年の日になりました。 組織の肩書きから離れて3年、ブログを通じて思いもしなかった方々に出会え、コメントまでいただくことを幸せに思います。みなさん、ありがとうございます。 今年も庭のサクランボが…

春のぶらぶら、「螢川」散歩

今日は朝からウオーキングシューズを履き、車で4週間に1度通っている循環器内科へ。過労で発症した不整脈の持病があって、ここ10年近く薬が欠かせません。たぶん死ぬまで。 診療後、街中の有料駐車場に車を入れ、川べりの散歩に出かけました。 私が通う医院…

新年度、また牛歩の歩みで

私の住む地でも、ようやく桜の開花宣言が出ました。と言っても、うちの庭のソメイヨシノが咲き始めるのはこれからで、赤みを帯びて膨らんだ蕾は、まだ一輪も開いていません。去年より1週間遅い。今日から、新しい年度、令和4年度が始まりました。 現役を退い…

あかりをつけましょぼんぼりに

あかりをつけましょぼんぼりに…と、今日は桃の節句。高齢者二人世帯のわが家にも、お雛様が飾ってあります。高校を卒業して大阪の大学に行き、今は2人の子の母になって東京に暮らす、娘の雛飾りです。お雛様を見ながら老人が思うのは、 光陰矢のごとし。 こ…

ゆっくり逝こうぜ(タイトル借用です)

今日から3月に入り、いろいろと身辺に区切りがつきました。 一つは新聞のコラム。週1本といえども疲れが溜まり、早々に引退したいと以前から告げてありました。長く在籍した会社からのオファーなので執筆を引き受けたものの、3年目に入ったころから息切れが…

雪見酒

桃の節句も近いというのに、わたしの住む地は大雪警報発令中です。家に籠るのが一番...なのですが、こんな日に限って朝から仕事の打ち合わせが入っていたため、昼まで出かけていました。 朝食前に、駐車場の雪かきでひと汗。時間に余裕を持って車で家を出る…

追悼 西村賢太

私小説作家、西村賢太さんが亡くなりました。私は決して、西村さんの熱心な読者ではなかったので、タイトルに<追悼>と冠するのはおこがましいのですが、以前から現代の文学シーンにおいて特異な存在感を発する作家だという実感があり、突然の死は驚きでし…

まっくんとわたしの歴史

典型的な私立文系人間のわたしが、パソコンに出会ったのは、1990年代前半でした。会社のデザイン部門にマッキントッシュ・コンピューターなるものが導入され、新し物好きのわたしはときどき遊びに行って、いじくっていました。 そのうち、ハマってしまいまし…

くーの兄弟犬、ピースのお話

一昨年11月に逝ったうちの愛犬・くーには、ピースという兄弟犬がいました。 くーはイエローでしたが、ピースはブラックのラブラドールでした。よくブラッシングしてもらっていたのでしょう、見事に艶のある黒。3世代が暮らす広い屋敷に飼われていました。 ピ…

最近の<マイ・ブーム>

仕事始めの日になって、いまさらですが 明けましておめでとうございます。 個人的には比較的静かな年末年始でした。大晦日は、部屋にこもって絵を描きながら正月を迎えました。このところ空いた時間には、本を読むより油彩に集中してリフレッシュしています…

古日記、古本 〜みなさま良いお年を

俳句には季語が織り込まれている。 芭蕉の句も、雪山を眺めて隣のおじさんがひねった作も、巡る季節の一断面を詠んでいる。名随筆を遺した物理学者・寺田寅彦は、日本の春夏秋冬が見せる表情は多種多様で、これが私たちの感性を育み、文芸として発展したのが…

クリスマスイブの夜

今年のクリスマスイブはわたしにとって、単に残り1週間になった2021年のカウントダウンが始まる日です。数日前、ある手書きの自伝原稿前半がどっさり届きました。今日も半日、その原稿を読み込んでいました。 来年1月半ばまでに、必要なところに手を入れて整…

電 話

電話が鳴ることに、いい思い出がありません。 最前線の新聞記者だったころは24時間、たとえ明け方であろうと電話(あるころからは携帯電話)が鳴りました。事件発生か、事故か、あるいはそれ以外の何か。強大な力を持つ政治家が亡くなったとか、自然災害など…

カレンダー 

あの葉がすべて落ちたとき、わたしの命も消える...は、よく知られたO・ヘンリーの名篇「最後の一葉」です。うちは11月末、庭のソメイヨシノに残っていた最後の一葉が散りました。月がかわり、トイレに掛けてある小ぶりなカレンダーは、最後の一枚を残すのみ…

ホキ美術館について

4日間にわたり、仕事も放り出して、愛知から東京へと回ってきました。そして帰り着くと、<国境の長いトンネルを抜けると雪国であった>...とまでは言わないけれど、北陸は冷たい雨が降る冬の始まりに変わっていました。 必要があっての遠出。そこに組み込ん…

春乃色食堂

山から雪の気配が漂い始める北陸の晩秋。色鮮やかな落葉が終わったころ、枝先に残る木守柿が、ぽっと火を灯したように目に入ります。 今日、些細な仕事で山沿いにある小さな町に出かけました。用事を終えると、冷たい雨が上がっていたので街中をぶらぶら歩き…

お絵描きの近況

先月から、油の絵筆を持ってF10のキャンバスにしこしこ再開しました。下塗り段階で、今は大まかな色のイメージを固めているさ中です。描いているのはモズの巣。地元のバードウオッチセンターに展示してあるのです。 今はこんな具合ですが、これでは抽象画み…

秋 深まり

庭のキンモクセイが香り、思わず深く息を吸ってしまいます。ソメイヨシノは紅葉から落葉へ。萩は花期が終わり、名残の花びらが日差しを浴びています。 わたし、もしかすると読書以上に手間暇かけているかもしれない草木の世話。今日は風も心地よいので、拙宅…

車飛ばして美術展へ... 林忠正のこと

昼から天気が崩れるという予報を見て、朝から隣の市にある美術館へ車を走らせました。車の運転は、やはり青空の下がいい。「高岡で考える西洋美術ー<ここ>と<遠く>が触れるとき」(国立西洋美術館、高岡市美術館など主催)という企画展が気になっていて…