ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

日日雑記

文字通り、身辺雑記の雑文です。エッセーと称する自信はありません。本に関する雑文であることも多いので、<小説>など他のカテゴリーと重複していることもあります。

雪道を走ってタマネギを買う

先日のことですが、あてもなくぶらり朝から車を出しました。道には前夜からの積雪があり、まだ雪も舞っていて、本当は外出を控えたほうがいい日。しかし家に籠っていると息が詰まりそうで、何をしても集中できる気がしなかったのです。 日々のストレスは、気…

だからわたしは全集にこだわる

本に関して、これが今年最後の大きな買い物になると思います。古本の「川端康成全集」(19巻、新潮社)を、ヤフーオークションで送料込み9,000円で落札しました。意外に安く手に入ったのは、昭和44(1969)年から同49年にかけて刊行された旧版の全集だからで…

散る秋を...

昨日までの休日は秋の後始末。 落ち葉が庭を覆う時期、殺風景でもふと見渡せば赤が目に入ります。 散る秋を集めてひとり咳をする

昭和が残る飛驒路は...英語圏 〜高山にて

2時間半、車のアクセル踏んで紅葉の山道を楽しみ、岐阜県高山市へ行ってきました。本州の真ん中を縦断する高速道路(東海北陸道)を使えば、少しは時間短縮できるのですが、長いトンネルが多ので旧道を走りました。 山々は見事に色付いていました。あの猛暑…

男子厨房に入り グリーンカレーを作る

わたしの気分転換、ストレス解消は厨房に立つことだと、これまで何度かブログに書いてきました。引退した身だからのんびりすればいいのに、絵が進まない、積ん読本がまた増えた、月末までに秋剪定を終えたい...などなど、年中あれこれ自分を追い立ててしまう…

2025年四季の絵日誌、ようやく夏に

ずいぶん秋らしくなりました。昨年より1週間遅れでキンモクセイが咲き始め、香りが漂ってきます。そろそろ夜の焼酎もロックかお湯わりか迷う。この悩ましさも、わたしの例年の風物詩?かな。 2025年の年明け、花盛りだったのはサザンカでした。うちの庭には…

昨夜は仲秋の名月

昨夜、10月6日は仲秋の名月でした。 知人によると、関東地方は雲で見えなかったそうですが、わたしが住む地はまだ日没前の夕方から、丸いお月様がぽっかり東の空に浮かんでいました。 すっかり暗くなった午後7時半過ぎ、庭に初心者用の天体望遠鏡を持ち出し…

補遺 〜ロンドンぶらある記・最終回

8月下旬から9月初旬にかけてのロンドン滞在は、漠然とだけれど、どこか深いところで自分を変えてくれた気がします。たくさんの絵を見たからとか、観光名所を巡ったからではなく、短期間とはいえ日常生活に身を置き、雑多な現実を受け入れて対応した経験が、…

読書する女は危険である 〜ロンドンぶらある記⑩

ロンドンのガイドブックによると、ナショナルギャラリーから南に延びる大通りを数分歩くと、右に折れる小さな横丁があります。それがセシル・コート通り。古書店が軒を連ね、「ハリーポッター」に出てくる<ダイアゴン横丁>のモデルなんだとか。 「ハリーポ…

白い絶壁 セブン・シスターズ 〜ロンドンぶらある記⑨

特に風の強い日ではなかったのですが、イギリスは天候が変わりやすく、夏でも晴れの30分後には雲に覆われ、雨風が吹き付けます。波が白く砕けて打ち寄せ、ヒース(荒地)の草が風になびく。セブン・シスターズを訪ねたのはそんな日でした。 ロンドンから南へ…

描かれた女性2人になにを見るか 〜ロンドンぶらある記⑧

ドイツ文学者の中野京子さんが、独特の視点で名画を解説した「怖い絵」という本がシリーズ化(角川文庫)されています。わたしは未読ですが、「怖い絵 泣く女篇」を書店で手に取ったことがありました。カバーに使われている絵が印象的だったで、その章だけざ…

英国にも新宿にもひまわりは咲き 〜ロンドンぶらある記⑦

ナショナル・ギャラリーを訪れる人で、この絵が目当てという人はかなりいると思います。フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」。 環境保護団体の青年というか少年たちが、この作品にトマトスープを投げつけたのは2022年。同じ団体はその前、ルーブル美…

ネーデルランドの絵描きたち 〜ロンドンぶらある記⑥

ロンドンのナショナル・ギャラリーは、入場口のあるセインズベリー館と、空中の通路でつながった本館があります。セインズベリー館は西暦1500年までの絵画、本館は16世紀以降という作品構成で展示されています。 いったん入ると、展示室は前後左右に延々と連…

聖アンナの微笑みに魅せられ 〜ロンドンぶらある記⑤

正面に古代ギリシャを模したコリント式円柱の列。ロンドンのナショナル・ギャラリーは、トラファルガー広場を前庭のように持つ、古典主義の壮大な建築です。 大英博物館が世界の文化財の殿堂なら、こちらはパリのルーブル美術館に迫る絵画の宝庫。13世紀以降…

大英博物館で広重に出会う 〜ロンドンぶらある記④

浮世絵で一番好きな作品を問われたら、幾つか思い浮かんで困ってしまうけれど、その「幾つか」の中に確実に入るのが広重の「蒲原」です。正確には、東海道五十三次之内十六「蒲原 夜之雪」(かんばら よるのゆき)。 風のない夜、しんしんと降り積もる雪。遠…

大道芸あれこれ 〜ロンドンぶらある記③

トラファルガー広場は、イギリス最大の美術館「ナショナル・ギャラリー」に面しています。広場南は官庁街、北はピカデリーなどの歓楽街が広がり、連日多くの観光客でにぎわっています。ビルの間からビックベンも遠望でき、石段に腰掛けてひと休みし、もぐも…

古きイングランドを求めて 〜ロンドンぶらある記②

コッツウォルズ(Cotswolds)は、ロンドンから高速道路を使ってバスで1時間半ほど、イングランド中央部に広がる丘陵地帯です。中世以降、高級羊毛の産地として栄えましたが、産業革命とともに次第に衰退。やがて忘れられた田舎になりました。 現在、コッツウ…

パブは楽しい でも金額にご注意を 〜ロンドンぶらある記 ①

覚悟はしていたけれど、9月になっても37度を超える日本の暑さ。羽田空港のビルを出たとたん熱気に包まれ、汗が吹き出しました。昨日(2025年9月2日)、2週間ぶりにロンドンから帰国しました。 ロンドンの緯度は北海道より北で、樺太と同じくらい。わたしの滞…

老いては子に....

18日羽田前泊で、9月初旬まで涼しいロンドンに国外脱出します。お盆のラッシュも過ぎ、チケットはまだいくらか余裕があるようです。 まず大英博物館とナショナルギャラリーは必須として、次にコートールド美術館、ついでにあそこのギャラリーへも行って...。…

なんで外来語はカタカナなの? 

2、3カ月ごとに酒を飲み交わす仲間たちがいて、先日は「暑気払いに焼肉!」というお題で声がかかりました。わたしが現役のころからの飲み会なので、もう10年以上続いています。 メンバーは50代から60過ぎで、かつて在籍した会社の後輩ではないけれど、仕事を…

フェルメールの黄色

フェルメールの絵を見るほど、心に広がるのは静謐です。 これほど慎ましやかでありながら、色彩の力を画布に定着した人はいないと思います。情熱的で荒々しく、構図も色も雄弁な画家はたくさんいます。フェルメールはわたしにとって、その対極。日常を描いて…

鉛筆を削る

5月の大型連休明けに、鉛筆10数本をカッターナイフで削りました。熱いコーヒーを横に置き、削り始めると、いつの間にか鉛筆の先に神経を集中して周囲が見えなくなります。 10Bや4Bといった濃い鉛筆は減りが早く、使用頻度の割にずいぶん短くなっています。9H…

終着駅の春

家を出て車で2時間半、豪雪地でもある福井県大野市(越前大野)は、盆地にある古い城下町です。北陸自動車道福井北ICから、岐阜方向へ中部縦貫自動車道に折れます。30分ほど山間部を貫く道を走ると目の前が開けて、大野市に着きます。 人口3万人弱の静かな市…

タケノコのこと

わたしがよく使う田舎の県道は、途中1キロほど竹林の中を通ります。毎年4月下旬から5月の連休明けまで、その区間にタケノコ直売所がいくつも開店し、風物詩になっています。今年もシーズンに入りました。 直売所はどれも屋根と売り台があるだけ、形ばかりの…

春の譜 2025年 〜赤毛の女の子のことなど

今年も桜の季節がやってきて、3月末からSNSやテレビのニュースに、見事な映像があふれています。日本人は桜が好きですね。もちろん、わたしも。うちの庭にも1本の桜があって、開花を毎年楽しんでいます。 30数年前、地元に陶芸館が建設されたとき、市が周囲…

インテリげんちゃんの、夏やすみ。

昔買った本を手に取ると、ときに思わぬものが挟まれています。映画や美術展の使用済みチケットをしおり代わりに使い、そのままだったり。数年前には、書架の奥に眠っていた洋書から、はらりと大学時代の元カノの写真が落ちてきたこともありました。あのとき…

今年のガーデニング事始め バラを植える

目が覚めると、陽が射していました。数日前まで庭に残雪があったのに、窓から外を見るともう雑草が目に入ります。たくましい奴らよ。苦笑いしながら思う。「ようやく春らしくなったな」と。 早々に朝食を済ませて着替え、作業小屋で除草フォーク、シャベル、…

立春大寒波

立春を過ぎた火曜日から、大雪に見舞われています。今冬は12月が寒く、1月は逆に早春のような気候でした。寒の入りのころ、雪のない庭には緑の雑草がぽつぽつ見え始めていました。 ところが2月になると、1月の気候と入れ替わったよう。一昨日、目覚めると50…

さざんか さざんか さいたみち 〜冬の童謡と絵 

〜 さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき 「あたろうか」「あたろうよ」 きたかぜ ぴいぷう ふいている この童謡の題名、すぐに浮かんだ人は、かなり年配の方でしょうか。ん、題名、なんだっけ..と、遠くを見る目になった方もきっとい…

本についての やれやれ...

わたしが若かったころですから、ずいぶん昔になります。身動きもままならない大都市の非人道的?な通勤電車は別として、ふつうの電車内では、吊り革につかまりながら大人たちが器用に新聞を広げ、学生や高校生は参考書か文庫本を読んでいました。 活字を追い…