ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

日日雑記

「積ん読」と鉛筆デッサン

読むつもりの本や雑誌は、しっかり机に積まれているのに、このところなかなか手に取る元気が出ません。文藝春秋3月号は、新芥川賞の「推し、燃ゆ」を読みたくて買いました。ところが新型コロナ第3波「失敗の本質」という特集が組まれていて、今はまずそち…

料理して母の言葉を思い出す

在宅で細々と仕事をし、それも最近はけっこう暇で(う...)、昼は一人買い溜めした冷凍食品ですませています。まあ、わたしの食のレベルは現状、そんな具合です。 まだお気に入りの冷凍坦々麺とかパスタの在庫はあるのに、スーパーへ出かけたのは、PayPayで…

森田知事が青春のシンボルだったころ 〜「文學界」昭和60年11月号

お世辞にも几帳面とは言えない性格だから、本の整理がつかなくなって、ずいぶんになります。だからある本を探していたら、書架の奥から雑誌「文學界」昭和60(1985)年11月号が突然出てきても、なんら不思議はありません。 不思議なのは、なぜこの年のこの文…

自分の絵と旅した5カ月

思い返せばキャンバスの下塗りから始まり、この静物画と旅をしていたような5カ月でした。 やや感傷的な書き出しになったのは、描いている途中に老犬・くーが逝ってしまったからです。描き始めてから今日まで、まったく絵筆を持たなかった日は10日もないでし…

こんなわけで こんな本を買う

道路上の除雪がかなり進んだことに加え、今日は暖かかったので、車高が低い、しかも後輪駆動のマイカーでも大丈夫だろうと外出しました。車道はほぼアスファルトが露出していますが、路肩は除雪で積み上がった雪が壁になっています。一部は、2車線のうち走…

日々の雪譜 その3・古墳やピラミッドを作った人びとは...

意に反して、豪雪ブログに衣替えしてしまったこのところ。雪は午後に一段落し、久しぶりの陽射しがうれしい。白く輝いているのは、庭に出現した<プライベート・ゲレンデ>です^^。 雪かき作業は、当然のことながら排除した雪をどこに移動するかが大問題。…

日々の雪譜 その2・豪雪でロックダウン

気象台によると今日の昼で積雪1メートル20センチ、富山は35年ぶりの豪雪になっています。ここまでの雪は、さすがに参るなあ。 とにかく玄関から道路までのアプローチを確保し、車が車庫から出られるようにと、朝から3時間の雪かきでした。全身汗だくで着替え…

日々の雪譜

昨冬は異常に雪が少なく、地球環境の行方にいっそう不安を感じたものですが、今冬は12月に1度まとまった積雪があって、何となく安心しました。そして今朝、目を覚ますと未明からわずか数時間でちょっと降り過ぎだろw...の世界でした。 ( ↑ 今朝の玄関からア…

澁澤龍彦 〜作家つれづれ・その2

何度もくり返しわたしを惹きつける、そんな要素の一つに<不完全さ>というものがあります。 酒に例えるなら、磨き上げられたグラスに注がれる半透明のカクテルのような。美しい色合いが、早く味わってくれと囁いてきます。飲む前から酔ったような気分になっ…

雪が降っている 2020・年の瀬に

今朝未明、午前3時過ぎまでかけて、堂場瞬一さんの文庫書き下ろし新刊「共謀捜査」(集英社文庫)を読んだのですが、レビューは...まあいいか。堂場作品は何回か書いているから「相変わらず面白い」ということで。 さて、これほど「激動」という言葉にふさ…

<最後の浮世絵師>と出会った、遥かな記憶 〜「美術の窓」2016年12月号

2020年の個人的な大事件(?)の一つは、春から絵を描き始めたことです。以来気にとめるようになったのが、生活の友社から出ている「美術の窓」という月刊誌。とはいえ、1冊千数百円もするし、わざわざ買うこともないな....という程度なのですが。 たまたま…

ドストエフスキー 〜作家つれづれ・その1

異常気象で雪が積もらなかった昨年と打って変わり、いつもの冬がやってきました。朝、目が覚めて見れば一面の銀世界。まるで世界をリセットしたよう。庭のサクラも雪をまとって、枝垂れ桜みたいな風情になっていました。 (今朝の庭) わたしの住む地では、基…

できること、できないこと

くーが逝って以来、どうにも本を読む気になれません。本に限らず、活字全般を自分の中に摂り入れる、あるいは発する(何かを書く)ことが億劫になったままです。言葉というやつはときに、何とも重い。 このブログのタイトルは「ことばを食する」ですが、食欲…

犬は犬、我は我にて

犬は犬、我は我にて果つべきを命触(ふ)りつつ睦ぶかなしさ 平岩米吉 2020年11月19日 木曜 晴夜雨。未明、くー永眠。朝、小屋の中で冷たくなっていた。16歳5カ月。 火葬。骨になって、いまピアノの上にいる。 「ハラスのいた日々」再読。

じいじ馬鹿のクリスマス・プレゼント

わが子かわいさに、つい甘やかしてしまう。欠点が目に入らない。これを「親馬鹿」と言います。 ややもすると、親よりも甘くなるのが祖父母です。基本的に養育の責任がないので、自己反省することなくただ可愛がることができます。こうして、わたしのような「…

絵=メイキング 本=カミング・スーン

この10日ほど、司馬遼太郎さんの「国盗り物語」をこつこつ読み進んでいるのですが、なにせ文庫で全4冊の長編で、なかなか読了できません。仕事というか、細々とした在宅ワークがちょっと山場に差し掛かっているせいもあります。 近日中には読み終わりそうな…

空の高い季節に 紙の本と電子の本

先日まで昼は半袖でも過ごせましたが、もう長袖の時季です。秋は太陽の位置が低いので、窓から入る日射しが部屋の奥まで伸び、外に出れば目に映る自然がより輝いています。日の光が低いから地上がきらきらし、逆に青空は高い。 「空の高い国」。スペインとい…

昔の自分に遭遇した夜

自分が若いころ、詩を書いていたという意識は、ありません。 とぎれとぎれながら、数年の間に何編かの<詩のようなもの>を書いたのは、20代の後半でした。散文詩も含め、せいぜい10篇くらいです。 既に就職していて、文章を書くことが仕事になっていました…

心の豪遊はできる はず

10月に入るとさすがに、朝晩は半袖で寒くなりました。ちょっと気分転換しようかと、このブログ記事のカテゴリー分けを一部整理。サイドバーに「日日雑記」「掌編」の2カテゴリーを新設して、これまでごった煮だった書評以外の投稿をまとめました。 「日日雑…

赤トンボの季節 全集物は別巻が面白い? 〜「日本の詩歌」別巻 日本歌唱集

夕やけ小やけの あかとんぼ 負(お)われて見たのは いつの日か ダイエットが気になり始めた数年前から、わたしの趣味の一つになったのが田舎道のウオーキングです。歩くのは数キロから10数キロまで、様々なマイコースがいつの間にかできました。そして車で…

愛しき親友の植物たち

このブログを始めたとき、自己紹介に「本と車と酒とガーデニングが好きな昔人間です」と書きましたが、これまで本以外についてほとんど投稿してきませんでした。秋を迎え、小さな、緑のいのちが部屋に芽吹いてきたので少しだけガーデニングの報告を。興味の…

目の前の路地をきれいに お絵かきの目標

うまくいかない。というか、難しい。 こつこつやっている、お絵かきのことです。F6号という小さなキャンバスに静物画を描こうと構図を決め、事前の試し描き(エスキース)として、構図の一部にある2個のイチジクをスケッチブックにデッサンしました。 なにせ…

本のこと、そしてお絵かき

本を併読する人は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか。わたしは、どちらかといえば併読派です。数日のうちに読み上げてしまう本と、1カ月から、場合によっては数カ月かけてのんびり読む一冊が同時進行。いま、のんびり読書は「現代語訳 日本書紀」(福永…

くーのこと

くーは、16歳2カ月のオスのラブラドール・レトリバーです。もちろんわたしではなく、うちの『くー』。人間でいえば、とうに100歳を超えています。大型犬は小型犬に比べて短命なので、6頭いた兄妹犬で、今も生きているのはくーだけになりました。 そして今年…

異常が<日常>になった世界

気温35度を越える猛暑は当たり前で、40度に迫る日も珍しくありません。打ち水?。そんな風流を楽しんでいたら命の危機です。外出にマスクは必需品で、しんどいなあ。そんな8月も下旬に入り、「暑さもあとしばらく」と安心できないのが近年の気候変動です。 …

わがまま人間のコンサート嫌い

わたしは音楽が嫌いでありません。在宅の仕事なのでバックによく音量を絞り気味にしてクラシックやジャズを鳴らしますし、時には夜一人で、飲みながらお気に入りのCDに耳を傾けます。 しかし、困ったことにコンサートというやつがどうも苦手なのです。もっと…

七夕とアルゲリッチ

7月7日、七夕。外から聞こえてくるのは、激しい雨の音ばかり。九州では洪水被害が甚大で、織姫と彦星が出会う天の川は厚い雲の向こうです。七夕伝説は中国から伝わり、古代からあったお祭りでした。 だから7月7日というのは本来は旧暦の日付で、明治になって…

我、CDプレーヤーを物色す

引き受けた仕事が進まず、本が読めないと前回の稿でぼやいたばかりですが、今度はCDプレーヤーが壊れました。あー、最悪!。在宅ワークなので、昔買ったステレオ・コンポでCDを流しながら、胃袋には何杯もコーヒーを流し込みつつ、仕事をするのが習慣になっ…

ホタル狩り

梅雨に入り、ホタルが舞い始めました。さすがに近所で見ることができる人はごく少ないにしても、探せば結構あちこちに観賞スポットがあって、わたしが暮らす街は車で30分も走れば行けるのです。東京、大阪のような都市部にお住まいの方は、そうもいかないの…

<断捨離>を試みた<真逆>の結果について

<断捨離>は、比較的新しい言葉ですが、あらゆる年代の人にすっかり定着した感があります。 <真逆=まぎゃく=>という新語も、20年ほど前から若い世代を中心に使われ続けているようです。実はこの言いよう、わたしのような「気持ちだけ若い」人間には、い…