ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鉄砲伝来が変えたもの 〜小学館「日本の歴史」

5月下旬から2カ月近く、小学館が2007年から2009年にかけて刊行した「日本の歴史」を読み継いでいます。全16巻(+別巻1)のうち、今日は第10巻「徳川の国家デザイン」(水本邦彦)を読了しました。 旧石器から古墳時代を扱った第1巻「列島創世記」(松木武彦…

きょう買った本と食べた蕎麦 〜池波正太郎のことなど

日曜日。モーニングコーヒーを飲みながら、facebookを眺めていると、や!。 地元の古本屋さんが、富山県南砺市井波の古刹・瑞泉寺門前にテントで出店しま〜すと、ポストしていました。朝から日差しが強いけど、行ってくるか。こういう機会に出会える本という…

小さな美術館とわたしの絵

先週末から、6速マニュアルのわが脚..ではなく車を駆って、長野県の安曇野を巡ってきました。個人的な用件があっての1泊2日でしたが、2日目はフリーだったので、久しぶりにツーリングを楽しみました。 長野はもちろん、日本各地で35度を超える猛暑の中。目指…

武士たちの「倍返し」経済小説? 〜「大名倒産」浅田次郎

積りに積もったわが家の借金が、2500万円になったらどうしよう。利子の支払いだけで毎年300万円。これに対して、どんなに頑張っても収入は年100万円前後。うわあ〜です。いや、もう叫ぶ気力も残されていないか。 もし企業なら、とうの昔に倒産しているはず。…

人は虚しく、哀しい 〜「グレート・ギャツビー」フィツジェラルド

喧騒と過剰。 アメリカ文学を代表する作家の一人、F・スコット・フィツジェラルドの「グレート・ギャツビー」(野崎孝訳、新潮文庫)の印象を簡素に表すと、わたしは冒頭の言葉が浮かびます。第一次世界大戦が終わり、アメリカが経済的な繁栄を謳歌する1920…

月下孤灼 〜わたしと酒の話

朧げな記憶をたどれば、それは地元の神社の秋祭りの日。宴席でした。親戚一同が集まって酒を酌み交わしている。父も母も、伯父や叔母たちも若くて働き盛りでした。昭和30年代が終わろうとするころ、高度経済成長期にある日本の片田舎のとある家、座敷に華や…

雨の7月1日 

1年の半分が終わり、折り返した7月最初の今日は朝から雨でした。気持ちよく晴れた日が好ましいのは当然だけれど、この時期の雨は緑を濃くしてくれる。庭の木々や芝が、夏に向けて勢いを増すのが目に見えます。 雑草も一緒に元気になるのは困ったものですが、…