ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

こころ整う部屋 -を目指して

ひと月前、「ほんとうの豊さに出合うための9週間」(深尾双葉、KADOKAWA)という本のレビューを書きました。その中にあった「こころ整う」という言葉に惹かれ、気づけばいま現在、「こころ整う部屋」を目指して、どたばたのさ中にいます。 古い本棚の上にカ…

こころ整う暮らしへ 〜「ほんとうの豊さに出合うための9週間」深尾双葉

いつの間にか物であふれているわが家。目に入るところはもちろん、普段は視界に入らない収納スペースなど、この先いつ使うかも分からない物があれこれぎっしりです。そして家の中のどこよりも、6畳のわたしの部屋。本棚から溢れた単行本や全集が床に積んであ…

哲学は面白い 〜「暇と退屈の倫理学」國分功一郎

個人的なことながら、わたしが恐れるものの一つに「退屈」があります。これはもう、子供のころからそうでした。退屈という状態のなんとも表現しにくい不快感、あるいは心の疼痛。薬物中毒者の、薬物が切れた状態みたいな感じなのかも。 わたしは(たぶん多く…

病院の待合室で笑みに出会う 〜「女の咲顔」柳田國男

春の連休を前に、そろそろ持病の薬が切れそうで、いつもの総合病院へ行きました。呼ばれるまでの待ち時間を持て余さないよう、毎回本を持参します。今回は「日本の名随筆22『笑』」(作品社、桂米朝編。1984年刊)でした。 明治以降に発表された随筆から、<…

ひな祭り幻想 妖しくあはれな 〜「雛の宿」三島由紀夫

昨日は桃の節句でした。わが家のひな飾りの持ち主は、大学進学とともに家を出ました。以来20年余り、この時期に帰省することはないけれど、うちでは年中行事のように2月になるとおひな様を飾ります。 「雛の宿」という三島由紀夫の短編を思い出しました。確…

悠久なる文化継承 パクリか本歌取りか 〜マネの名作から

さいきん超有名な絵画について、ちょっとした発見があったので話の(記事の?)ネタにしてみます。「そんなん知ってたよ〜」という美術史の専門家の方、笑って許してください。 まずは絵を1枚ご覧ください。 19世紀半ばに、フランスのエドワール・マネが描い…

写実考 〜くーのブログ個展・その2

新型コロナが猛威をふるうころ、家にこもって絵を描き始めました。2022年12月に「くーのブログ個展」として、それまで描いた油彩とデッサンをこのブログにポストしました。今回は3年余りを経た「その2」です。 わたしは20代まで趣味で油彩を描いていました。…