ことばを食する

くーの、極めて私的な読書覚え書き。誰かにお薦めできると思った本を取り上げます

白骨と雪 山に行った日 〜「楢山節考」深沢七郎

姥捨山とは。食糧の乏しい山間部の集落で「口減らし」のために、ある年齢に達した老人を山に棄てる物語です。生きるための厳しい営み、因習に塗り込められた村社会。日本各地に伝わる棄老伝説を、文学として見事に昇華させたのが「楢山節考」(深沢七郎、新…

真面目な下ネタ比較論? 〜「現代語訳 日本書紀」(福永武彦訳)

「古事記」と「日本書紀」。日本最古の歴史書・2書を称して「記紀」は、その昔教科書に出てきました。当時、テスト対策で覚えるために「古事記、古事き、こじき」と暗唱にすると、条件反射みたいに乞食さんの集まりが頭の中に浮かんで...。そんな記憶がよみ…

目の前の路地をきれいに お絵かきの目標 〜雑文

うまくいかない。というか、難しい。 こつこつやっている、お絵かきのことです。F6号という小さなキャンバスに静物画を描こうと構図を決め、事前の試し描き(エスキース)として、構図の一部にある2個のイチジクをスケッチブックにデッサンしました。 なにせ…

生きて在る それだけで美しい 〜「百万回の永訣 がん再発日記」柳原和子

死を語るとは、いのちを語ること。 かつて医師や看護師、患者のみなさんから聞いた多くの言葉、その核心を要約すればこのようになります。長く取材者としてキャリアをつないできたわたしは、二度、がんと終末期医療をテーマにしました。 最初は1980年代終盤…

本のこと、そしてお絵かき 〜雑文

本を併読する人は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか。わたしは、どちらかといえば併読派です。数日のうちに読み上げてしまう本と、1カ月から、場合によっては数カ月かけてのんびり読む一冊が同時進行。いま、のんびり読書は「現代語訳 日本書紀」(福永…

くーのこと 〜雑文

くーは、16歳2カ月のオスのラブラドール・レトリバーです。もちろんわたしではなく、うちの『くー』。人間でいえば、とうに100歳を超えています。大型犬は小型犬に比べて短命なので、6頭いた兄妹犬で、今も生きているのはくーだけになりました。 そして今年…

夢幻の如くなり 〜「戦の国」冲方丁

織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼。戦国時代を生きた6人の武将の生き様の、1断面を切り取った連作短編集が「戦の国」(冲方丁、講談社文庫)です。 冒頭に置かれた「覇舞踊(はぶよう)」は、信長を描いた作品。1560年、桶狭間…