ことばを食する

くーの、極めて私的な読書覚え書き。誰かにお薦めできると思った本を取り上げます

本さえあれば孤独ではない 〜「書店主フィクリーのものがたり」ガブリエル・ゼヴィン

島に一軒だけある本屋さんの偏屈な店主(まだアラフォー)。お好みでない本は....ポストモダン、最終戦争後の世界という設定、死者の独白、あるいはマジック・リアリズム。才気走った定石的な趣向....などなど。 文学の研究者だった妻と始めた小さな本屋です…

旧仮名遣いの魅力 この冬の課題^^ 〜「ヨオロツパの世紀末」吉田健一

先日、地元の古本屋さんをのぞいて見つけ、つい買ってしまったのが「ヨオロツパの世紀末」(吉田健一、新潮社、1970年)です。タイトルからして「ヨーロッパ」ではなく「ヨオロツパ」。本のシンプルな装丁、古びた佇まいも含めてなんだかカッコいいというか…

「反日種族主義 日韓危機の根源」がトップ 〜月間ベストセラー・2019年11月期

最悪と言われる日韓関係が続く中、2019年11月期のベストセラーが発表されました。「反日種族主義 日韓危機の根源」が初登場でトップ。韓国の歴史認識の誤りを直裁に指摘し、本国で話題になった本の日本語版です。徴用工や慰安婦、竹島問題などについて、韓国…

心の闇に埋もれたもの 憎悪か愛か 〜「この世の春」宮部みゆき

人の心の闇、しかも生きるために自分で封印した記憶の闇であるなら、ほんとうは触れずにそっとしておくのが一番かもしれません。しかしその闇を抱えるがゆえに、狂気との瀬戸際に立つ本人が死に向かっていると分かれば、そうもいきません。苦しむのが純真で…

前のめりに語り尽くす 本の数々 〜「本屋さんで待ちあわせ」三浦しをん

ページをめくりながら何回笑い、なるほど、なるほどとうなずき、何回スッキリしたか、いちいち数えていなかったので分かりません。世の中、何であれ、同じ趣味を持つ人がその趣味についてディープに語った本には惹かれるものです。 「本屋さんで待ちあわせ」…

ウオーキング継続中 はてなスターは休止 〜近況など・雑文

12月が迫り、紅葉シーズンも終わりが近づいてきました。わたしは降雪地帯に住んでいるので、これからなかなか晴れ間がなく、風が冷たい冬は趣味のウオーキングが辛い季節になります。 それでも完全防寒で歩きますが(もしかしたらアホかもしれません)、歩行…

夢を病む 詩の忘れられない5巻 〜「全集・戦後の詩」角川文庫

角川文庫で全5巻からなる「全集・戦後の詩」が刊行されたのは、昭和48年から49年(1973〜74)にかけてでした。少なくとも第1巻は再版が出ているので、少しは売れたのだと推測しますが、文庫でこんな企画を実現すること自体に出版社の意気込みを感じます。 …