2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧
庭に樹齢30年余りのソメイヨシノがあります。今日は晴れて暖かく、見上げれば青空を背景に三分咲き。蕾も膨らんでいるので、枝先まで全体が桜色に染まっています。満開に咲き誇るのは週明けのころでしょう。 移植したときは1メートルほどの幼木でしたが、わ…
川瀬巴水 <目黒不動堂> 昭和6(1931)年 日本を代表する美術品の一つが、浮世絵であることは多くの人が認めるところでしょう。北斎、広重、歌麿....。もっとも、江戸時代のリアルタイムでは風景画や美人図、役者絵と言った庶民が楽しむものだったわけです…
昨年からしばしば俳句を拾い読みしています。実はそれほど興味はないし、熱心に読んだこともなかったのですが、身構えずに3行の<短詩>と割り切れば、そこそこ楽しめます。どうしてまた俳句なんぞを?と問われれば、野暮な必要に迫られてなのですが。そこ…
「本を読みたくないときに、読みたくなる本」が、わたしにはあります。謎かけみたいになりましたが、精神的な疲労感を引きずって読書はもちろんのこと、仕事にも前向きになれないとき、リセットしてくれる本のことです。 いわゆる「ブンガク的」感性や知的に…
小説の舞台は前作同様、中国地方の山あいにある寂れた温泉町・津雲。自然豊かで、水が美味しく、流れる川に石造りのかんかん橋が架かり。言葉を変えれば『ど田舎』。人は老い、町も老い、歯が抜けるように店が消えて。しかし現代の「故郷」の普遍的な姿とは…
過去になかった暖冬、というより異常気象のせいで、桜の開花が記録的な早さになりそうだと、気象会社は予想しています。早くも気になり始める桜前線。桜ほど、日本人に愛される花はないでしょう。いったいいつから、そしてなぜなのでしょうか。 奈良時代、万…
わたしがよく訪ねるpaperwalkerさんのブログ「何を読んでも何かを思いだす」に、こんな文章がありました。「うん、うん」と頷きながら読んだのは、感傷に流されることなく手紙・葉書という文化についてさらりと書いてあったからです。 ところで、旅行先から…
新型コロナが世界に広がり、日本では学校が一斉休校、コンサートやイベントが中止になり、大相撲やセンバツ高校野球は無観客開催と、2020年3月は大変なことになっています。マスクは分かるとしても、トイレットペーパーや紙おむつまで店頭から消えたとなると…
これを書いたのは作家として誠実な人なんだろうなあ。おいおい、作品に対して不誠実な作家などいるのかーと問われると困るのですが、それ以外に的確な言い方が思いつかないのです。小説としてしっかり組み上げた構成、史実への視線、作中に折り込まれている…