ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

散る秋を...

昨日までの休日は秋の後始末。 落ち葉が庭を覆う時期、殺風景でもふと見渡せば赤が目に入ります。 散る秋を集めてひとり咳をする

嘘が現(うつつ)を救う 〜「木挽町のあだ討ち」永井紗耶子

うう。やるねえ。参ったなあ。 さすがに声には出さないけれど、感嘆し何度も心で唸っておりました。こいつは本物だぜと、ぺえじを捲りながら、分もわきまえず作者の才に驚き。 一度など目頭が熱くなりかけ、「やばい」と天を仰ぎ、目を見開いて目ん玉乾かし…

汚れっちまった悲しみに 〜「朝の歌 中原中也傳」大岡昇平

初めて足を踏み入れた小さな町の図書館でした。左にカウンターがあり、奥に広がる閲覧室の手前、テーブルにリサイクル本が並んでいることに気づきました。リサイクル本は、在庫処分の廃棄本。「ほしい本があれば自由にお持ち帰りください」という趣旨です。 …

昭和が残る飛驒路は...英語圏 〜高山にて

2時間半、車のアクセル踏んで紅葉の山道を楽しみ、岐阜県高山市へ行ってきました。本州の真ん中を縦断する高速道路(東海北陸道)を使えば、少しは時間短縮できるのですが、長いトンネルが多ので旧道を走りました。 山々は見事に色付いていました。あの猛暑…

公務員化した戦闘のプロ 〜「戦国武家の死生観」F・クレインス

「武士」という言葉から、なにを連想するでしょうか。 合戦、切腹、武士道、男...。「武士は食わねど高楊枝」「武士の商法」など。改めて考えてみれば、いろんなイメージが浮かんで、模糊としています。小説の主役になる武士も、戦国の覇者から市井の剣客、…