2026-01-01から1年間の記事一覧
ひと月前、「ほんとうの豊さに出合うための9週間」(深尾双葉、KADOKAWA)という本のレビューを書きました。その中にあった「こころ整う」という言葉に惹かれ、気づけばいま現在、「こころ整う部屋」を目指して、どたばたのさ中にいます。 古い本棚の上にカ…
いつの間にか物であふれているわが家。目に入るところはもちろん、普段は視界に入らない収納スペースなど、この先いつ使うかも分からない物があれこれぎっしりです。そして家の中のどこよりも、6畳のわたしの部屋。本棚から溢れた単行本や全集が床に積んであ…
個人的なことながら、わたしが恐れるものの一つに「退屈」があります。これはもう、子供のころからそうでした。退屈という状態のなんとも表現しにくい不快感、あるいは心の疼痛。薬物中毒者の、薬物が切れた状態みたいな感じなのかも。 わたしは(たぶん多く…
春の連休を前に、そろそろ持病の薬が切れそうで、いつもの総合病院へ行きました。呼ばれるまでの待ち時間を持て余さないよう、毎回本を持参します。今回は「日本の名随筆22『笑』」(作品社、桂米朝編。1984年刊)でした。 明治以降に発表された随筆から、<…
昨日は桃の節句でした。わが家のひな飾りの持ち主は、大学進学とともに家を出ました。以来20年余り、この時期に帰省することはないけれど、うちでは年中行事のように2月になるとおひな様を飾ります。 「雛の宿」という三島由紀夫の短編を思い出しました。確…
さいきん超有名な絵画について、ちょっとした発見があったので話の(記事の?)ネタにしてみます。「そんなん知ってたよ〜」という美術史の専門家の方、笑って許してください。 まずは絵を1枚ご覧ください。 19世紀半ばに、フランスのエドワール・マネが描い…
新型コロナが猛威をふるうころ、家にこもって絵を描き始めました。2022年12月に「くーのブログ個展」として、それまで描いた油彩とデッサンをこのブログにポストしました。今回は3年余りを経た「その2」です。 わたしは20代まで趣味で油彩を描いていました。…
「本屋の人生」(伊野尾宏之、本の雑誌社)という新刊が出たことを、齋藤花火さんのブログで読みました。すぐにamazonに発注し、ふと思いました。ああ、こんな本の買い方こそ、街中の本屋さんが立ち行かなくなった一因なんだろうなと。 東京の新宿区中井にあ…
1冊の本からなにを読み取るかは、読んだ人に委ねられています。そこに宝の山があっても、両手の10本の指で掬えるだけしか持ち帰れません。ただ、作者が予想もしなかった宝物、本来そこになかった宝を持ち帰るのも読書の面白さです。 そんな当たり前のことを…
わたしの古書好きについては、このブログに何度か書いてきました。昨年の秋以降は過去に開催された展覧会図録、特に19世紀後半にイギリスで起きた芸術運動「ラファエル前派」に的を絞って買っています。 展覧会図録は会期中の会場でしか買えず、たいていは大…
目の前に、珍しい食べ物があるとしましょう。実際はドイツの小説家、F・カフカの「変身」(新潮文庫)という作品なんですけど。有名だし美味しそうなので、口に入れます。しかし、その味をなんと表現すればいいのか、皆目分からない。 もしかするとこれ、と…
東京で開催中の二人の画家の個展を訪ねてきました。作風は異なっても、ともに日本の現代写実あるいはリアリズムの最先端を走る俊英です。 塩谷亮さんと、諏訪敦さん。 絵に興味があって、特に現代写実をウオッチしている方には説明不要と思いますが、まあ、…
先日のことですが、あてもなくぶらり朝から車を出しました。道には前夜からの積雪があり、まだ雪も舞っていて、本当は外出を控えたほうがいい日。しかし家に籠っていると息が詰まりそうで、何をしても集中できる気がしなかったのです。 日々のストレスは、気…
川端康成の「眠れる美女」は、昭和35年から翌年にかけて雑誌「新潮」に連載された100ページに充たない中編小説です。ノーベル賞作家・川端の...というだけでなく、近現代の日本文学における最高到達点の一つだとわたしは思います。 もしかすると好きになれな…
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」 読み始めの冒頭が、この宣言です。頭の中が「?」になったわたし。 宣言したのは中学2年の女の子で主人公の成瀬です。呼びかけられた島崎は、同じマンションに暮らす同級生の親友。わたしが思ったのは...成…

