ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

きょう買った本と食べた蕎麦 〜池波正太郎のことなど

 日曜日。モーニングコーヒーを飲みながら、facebookを眺めていると、や!。

 地元の古本屋さんが、富山県南砺市井波の古刹・瑞泉寺門前にテントで出店しま〜すと、ポストしていました。朝から日差しが強いけど、行ってくるか。こういう機会に出会える本というものがきっとある、と思い。お寺まで車飛ばして50分くらいです。

 少し補足解説。諸大名が割拠した戦国時代、北陸には朝倉氏などの大名がいたけれど、一般民衆は一向宗(浄土真宗)に帰依して、蓮如上人の教えのためには命を捨てる宗教自治国でもありました。

 信長が宗教勢力に神経を尖らせて、時には女子どもまで殺戮したのはよく知られた歴史。北陸における拠点の一つが瑞泉寺でした。そのお寺で、太子伝会という年に1度の行事が開かれ、いくつもテント張りの出店が門前に並んだのです。

 汗だくになって参詣の道を登り、露天の古本屋さんで買った3冊500円。「源氏紙風船」(田辺聖子)「不愉快な本の続編」(絲山秋子)「仏果を得ず」(三浦しをん)でした。あれ、後で気づけば女性作家ばかり。

 帰りの参道を少し右に入って立ち寄ったのが、池波正太郎ふれあい館。江戸っ子の池波さん、実は父方の祖先は越中・井波の宮大工で、ここは生前に何度も訪れたルーツの地なのです。

 池波さんの生原稿、愛用の品々、肉筆画などが1階と2階に分けて展示してあります。

 

 池波さん、絵、上手いなあ。色彩感覚、構図、もう玄人です。

 

 わたしの昼飯は、参道入り口近くに店を構えた蕎麦屋。冷房にほっとひと息つき、奮発して天ざる!。「剣客商売」や「鬼平犯科帳」なら、蕎麦屋で欠かせないのは酒ですよね〜。しかし車なので断念。本当は満腹、ほろ酔いで、さらに冷やをちびちび飲(や)って

 や、もう夕刻か!

 と、驚いてみたかった。

 本日の心残りでしたw