絵の額装は、手塩にかけて育てた子に、晴れ着を着せるような気持ちになります。
子の出来の良し悪しは横に置いて、こんな色合いが似合うだろうか、デザインはどんなのがいいか、できれば安く...。というわけで晴れ着、ではなく油彩額を昨年末からネットで物色していました。
絵のイメージとマッチする額がなかなか見つからず、かといって額の自作も無理。額作りはきっと、絵を描くより難しい。まあ、あれこれ迷うのも楽しみの一つ。最後は、素人の趣味なのだからと、折り合いをつけて注文したのでした。
ところが一方、絵の方を「これで完成」と思い切ることができません。年が明けても加筆を続けていたら、たまたまその様子を見た人に「これ、もうとっくに完成してるんじゃないの」と言われました。
え、あれ?。じゃあ、もういいか。
いえ、未だ完成したと思っていないのですが、知人の一言でなにかが吹っ切れて「区切り」をつける気になったのです。区切りをつける勇気が出たというか。
そして今日、ようやく額装したのでした。
モズの巣を、スケッチブックに鉛筆でラフスケッチしたのがコロナ禍の2021年秋。F10のキャンバスに油で描き始め、足掛け3年の制作になりました。
その間、視力低下に悩まされて白内障の手術を受け、大きな仕事に追われた時期もあり、またロンドンに移住する娘一家を羽田空港から見送ったりと、ふり返ればいろいろありました。
額装してようやく、2週間遅れの正月がやってきた気分です。よく働いてくれた筆やパレットにも感謝。さて、絵にタイトルをつけなければ(タイトルなしでも特に困らないけどw)。
次に何を描くかは、これからのんびり思案することにします。