ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

2004年(平成16年) ベストセラー回顧

 久しぶりに、ベストセラーで過去を振り返ってみます。2004年、ヨン様とセカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)が流行語になった年ですが、当時わたしは大きな仕事に直面して流行とは縁のない生活を送っていました。みなさんはどんな年だったでしょうか。

f:id:ap14jt56:20191024185738p:plainNHKの「冬ソナ」から始まった韓流ブーム、凄かったですね(画像はNHKのDVDから)。ちなみにこの年が日本の人口のピークで、2005年から減少に転じました。すでに高齢化は急ピッチで進みつつありました。さて、そんな2004年に売れた本のランキングは以下の通りです。

                

2004年(平成16年)ベストセラーTOHAN調べ

【総合】

①「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 J.K.ローリング 松岡佑子 訳 静山社

② 「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一 小学館

③「 バカの壁」 養老孟  新潮社

④「ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君」 Vジャンプ編集部 集英社

⑤「グッドラック」 アレックス・ロビラ フェルナンド・トリアス・ デ・ベス 田内志文 訳 ポプラ社 

【単行本・文芸】

①「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一 小学館

②「蹴りたい背中」 綿矢りさ 河出書房新社 

③「いま、会いにゆきます」 市川拓司 小学館

④「 蛇にピアス」 金原ひとみ 集英社

⑤「冬のソナタ (上・下)」 キム・ウニ ユン・ウンギョン 宮本尚寛 訳 NHK出版 

 主な出来事2004年 イラクで日本人拘束相次ぐ(4月〜)アテネ五輪で日本16の金(8月) 新潟中越地震で死者40人、イチローが大リーグ最多の262安打(10月)

               

 ハリー・ポッターシリーズは凄いなあ。残念ながらわたしには分かりませんが、ファンにとっては1作1作が個人史と結び付いているのでしょう。冬ソナは本まで出て、それも売れたのだと知って驚きました。女性の心をつかんだコンテンツは強い.....。

 この年、政治的には7月の参院選で民主党が議席を伸ばしていますが、まだまだ小泉政権は安泰で、政治的には荒れていませんでした。そんな空気の中での冬ソナと「世界の中心で、愛をさけぶ」ですね。

 世界の中心で、愛をさけぶ。う〜ん、これは草食男子に喝を入れるタイトルなのでしょうか。直球ど真ん中のタイトルが売れる時代というものについて、考え込んでしまいました。今ごろつっこむのもどうかと思いますが、愛は叫ぶものでなく、耳もとでささやくのだと思ってきた....。

 文芸部門のベストセラーに、綿矢さんと金原さん。2人の芥川賞、もうそんな前なのですね。

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