ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

2008、2007年 ベストセラー回顧

  2007、2008年は、あまり明るいニュースがないですね。2007年1月に不二家が消費期限切れ牛乳を使ってシュークリームを製造していたことが発覚してから、次々と食品偽装が発覚。船場吉兆の女将「ささやき」記者会見、覚えている方も多いのでは。年金の未統合問題は、今に至るまで完全解決していません。そして翌2008年6月に、秋葉原の通り魔事件。携帯で撮影された動画がニュースで流れ、メディア社会の進展にも驚きました。

 政治、経済の世界も混乱続きでしたが、さてベストセラーといえば。ん。血液型...、ケータイ小説だったようです....。

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2008年(平成20年)

主な出来事 秋葉原通り魔事件で7人死亡(6月) 北京五輪でに日本金9、北島連続2冠(8月) 福田首相辞任、麻生内閣発足(9月) リーマン・ブラザーズ破綻で金融危機(9月〜)

【総合】

①「ハリー・ポッターと死の秘宝」J.K.ローリング 松岡佑子 訳 

②「夢をかなえるゾウ」水野敬也

③「B型自分の説明書 」Jamais Jamais 

④「O型自分の説明書」Jamais Jamais

⑤「A型自分の説明書」Jamais Jamais

【単行本 文芸書】

①「流星の絆」東野圭吾

②「聖女の救済」東野圭吾

③「ガリレオの苦悩」東野圭吾

④「犬と私の10の約束」川口 晴

⑤「のぼうの城 」和田 竜

 総合トップがハリポタなのは分かります。2位の「夢をかなえるゾウ」はドラマ化もされてヒットしました。そして3〜5位を占めるのが、血液型の本です。ちなみに割合の少ないAB型の本も9位になっています。これ、別々に集計しないで血液型のシリーズで一括したら、ハリポタを超えて1位だったりして。個別の数字を調べていないので、確かなことは分かりませんが。

 面白いのはB型の説明書が3位に入り、OやAを上回っていることです。そもそもB型の人は割合が少ないのだから、血液型ごとの購入率で考えると、B型の購入率が極めて高いことになります。これって、どう解釈すればいいのだろう?

 それにしても日本人は血液型の人格診断が好きですね。この手の本は40年ほど前にも大ベストセラーになっています。今回は「自分の説明書」という、企画の勝利だったような。

 文芸書は、東野圭吾さんの一人勝ち。ただトップの「流星の絆」も、総合では12位でした。

 

2007年(平成19年)

 主な出来事 白い恋人、赤福、高級料亭・吉兆など各地で食品偽装(1月〜) 年金記録の未統合5000万件発覚(4月) 参院選で自民が歴史的敗北(7月) 安部首相突然の辞任(9月)

【総合】

①「女性の品格 装いから生き方まで 」坂東眞理子

②「ホームレス中学生」田村 裕

③「鈍感力」渡辺淳一

④「日本人のしきたり」飯倉晴武 編著

⑤「新・人間革命(17)」池田大作

【単行本 文芸書】

①「恋空 切ナイ恋物語 (上・下) 」美嘉

②「赤い糸 (上・下) 」メイ

③「君空 ‘koizora’another story 」美嘉

④「一瞬の風になれ (1)(2)(3) 」佐藤多佳子

⑤「もしもキミが。」凛

 総合トップは「女性の品格 装いから生き方まで」ですが、この前年に藤原正彦さんの「国家の品格」がベストセラーになって、品格という言葉がもてはやされました。その流れに乗っての1位です。

 さて、文芸書。美嘉さんが強い。しかしダメです、私はついていけない...では申し訳ないので調べました。

 「美嘉は、日本のケータイ小説家。実体験を元にしたフィクション『恋空』がケータイ小説として記録的な売上をとげた後、作家として創作活動を続けており、著作が出版されている。 「恋空」の累計部数は2010年には200万部を突破した」(Wikipedia)

 「赤い糸 」のメイさんもケータイ小説家です。2007年はケータイ小説が書籍化されて大ヒットしたんですね。 

bunko.maho.jp