2003年(平成15年)は、SMAPの「世界で一つだけの花」が大ヒットし、森山直太朗さんが独唱する「さくら」もよく耳にしました。なに、当時家族にやや天然の入った明るいキャラが一人いて、聞き飽きるほど歌っていたものですから。流行語大賞は「なんでだろ〜」(お笑いコンビ・テツandトモ)などが受賞しています。
一方で、社会的な動きについて、個人的には記憶の薄い年です。調べてみればイラク戦争、ヤンキースに移籍した松井選手の活躍などがあって思い出すのですが。経済的にはりそな、足利銀行への公的資金注入など、日本は沈んでいた時期ですね。本は「バカの壁」(養老孟司、新潮社)が圧倒的に売れた年です。
この年産まれた赤ちゃんは今年16歳
2003年(平成15年)ベストセラー TOHAN調べ
【総合】
①「バカの壁」 養老孟司
②「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一
③「トリビアの泉 へぇ~の本 (1)(2)(3)(4) 」フジテレビ トリビア普 及委員会 編
④「ベラベラブック 2」 スマステーション2
⑤「開放区」 木村拓哉
【単行本・文芸】
①「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一
②「半落ち」 横山秀夫
③「Deep Love 第1部、第2部、第3部、特別版」 Yoshi
④「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー 村上春樹 訳
⑤「13ヵ月と13週と13日と満月の夜」アレックス・シアラー 金原瑞人 訳
主な出来事2003年 「千と千尋の神隠し」にアカデミー賞(3月) 日経平均株価がバブル後最安値(4月) りそな、足利銀行に公的資金(5、11月) 阪神が18年ぶりリーグ優勝(9月) 自衛隊イラク派遣決定(12月)
「バカの壁」、新潮社の紹介文によると...「話せばわかる」なんて大ウソ! イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人。互いに話が通じないのは、そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちを囲む様々な「壁」。それを知ることで世界の見方が分かってくる。...というものです。
総合2位、文芸部門トップの「世界の中心で、愛をさけぶ」は翌年まで売れ続け、2004年には「セカチュー」が流行語大賞にノミネートされました。
文芸部門の4位、5位に翻訳書が入っています。4位はサリンジャーの名作、しかも翻訳が村上春樹さんなので分かりますが、5位は個人的にまったく未知の本。さて..ということで調べてみました。
アレックス・シアラーはイギリスの小説家。元シナリオライターで、ヤングアダルト向けの作品が多いようです。ちなみに出版元の求龍堂によると、読者の75%が女子中高生など女性だとか。それにしても求龍堂という出版社、高価で部数の少ない美術本の出版社というイメージだったのですが、こんなベストセラーを持っていたんですね。