2005年は、振り返ってみれば「小泉劇場」に代表される政治の年だったのでしょうか。郵政民営化法案の参院否決で、小泉首相がいわゆる郵政解散に打って出ました。自民分裂を恐れず、「改革」を打ち上げて反対議員の選挙区に「刺客」を立てるなど、見えやすい政治手法とパフォーマンスが、見事にはまりました。
107人が亡くなった、JR福知山線の事故も衝撃的でした。車両故障やシステム異常ではなく、スピードの出し過ぎという単純な人為的操作が原因。つぶれた車両に最初に入ったのは救助隊員でした。ある新聞が救助隊員の体験をルポしていました。
<壊れて、物が散乱した車両のあちこちで、携帯の呼び出し音だけが鳴っていた。安否を心配する家族や知人から、もしかすると恋人から。しかし、携帯に出ることが出来る人はだれもいなかった....(要旨)>
現代の大惨事の現場を見事に切り取っていて、記者のセンスにうなった記憶があります。
さてベストセラーの方ですが、1位の「頭がいい人、悪い人の話し方」って、何だか小泉さんを意識したハウツーもののような....。以下の本、残念ながらわたしは1冊も読んでいませんw。
2005年(平成17年)
主な出来事 ライブドアがニッポン放送株買い占め。フジ買収画策(2月)JR福知山線脱線事故で107人死亡(4月) 郵政解散選挙で小泉自民圧勝(9月) 小泉劇場が流行語大賞に
【総合】
①「頭がいい人、悪い人の話し方」 樋口裕一
②「香峯子抄」 池田香峯子 述、主婦の友社 編著
③「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」 山田真哉
④「新・人間革命(14)」 池田大作
⑤「これだけは知っておきたい 個人情報保護」 岡村久道 鈴木正朝
【単行本 文芸書】
①「もっと、生きたい…」 Yoshi
②「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー
③「恋バナ (青・赤) 」Yoshi
④「野ブタ。をプロデュース」 白岩 玄
⑤「ハッピーバースデー」 青木和雄 吉富多美」
文芸書に、あまり活気が感じられません。その中で「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は、翌年もランクインする2年越しのベストセラーになりました。若い人たちは「もっと、生きたい…」や「恋バナ」に食いつくのでしょうが、わたしは完全に門外漢で何も分かりません。
上のリストにはもれましたが、総合の7位に「電車男」(中野独人)が入っています。また文芸書6位は「ダ・ヴィンチ・コード (上・下)」( ダン・ブラウン)でした。小説の翻訳物がベストセラー上位に食い込むのは珍しいですね。