2016年(平成28年)
主な出来事 熊本で震度6強(4月) 障害者施設・津久井やまゆり園事件で19人死亡(7月) リオ五輪で日本のメダル41(8月) 天皇陛下退位のお気持ち表明(8月) アニメ「君の名は。」大ヒット(12月)
【総合】
①「天才」石原慎太郎
②「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」カールヨハン・エリーン/三橋美穂監訳
③「正義の法 憎しみを超えて、愛を取れ」大川隆法
④「ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部」J.K.ローリング、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーン/松岡佑子訳
⑤「きみの膵臓をたべたい」住野よる
【単行本 文芸書】
①「きみの膵臓をたべたい」住野よる
②「羊と鋼の森」宮下奈都
③「コンビニ人間」村田沙耶香
④「火花」又吉直樹
⑤「また同じ夢を見ていた」住野よる
総合1位の「天才」は、ある年代以上の人にとって、石原慎太郎さんが田中角栄を書いたこと自体に一種のインパクトがあるのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。その組み合わせ自体に、さまざまな想像力が広がりました。
おかしな言い訳ですが、むしろ自分の広がりを限定してしまうのがいやで、読まなかった。書店にたくさん平積みされていた本書を何度も手に取りながら、ついに買いませんでした。当時、この本がきっかけなのかどうか、一気に角栄再評価の空気が広がり、さまざまな角栄本が店頭に並んだのを覚えています。
田中角栄は凄い人だと思います。しかし、あの人を現代に置いてたとして、通用しないのも確かです。時代は、その時代に合った巨人を生むのだと思います。
文芸書では、住野よるさんが強いですね。
2015年(平成27年)
主な出来事 ISが後藤健二さん殺害(2月) 北陸新幹線開業(3月) 新国立競技場計画が抜本見直し(7月)パリで同時多発テロ(11月)
【総合】
①「火花」又吉直樹
②「フランス人は10着しか服をもたない」 ジェニファー・L・ス コット/神崎朗子 訳
③「家族という病 」下重暁子
④「智慧の法 心のダイヤモンドを輝かせよ 」大川隆法
⑤「聞くだけで自律神経が整うCDブック 」小林弘幸
【単行本 文芸書】
①「火花」又吉直樹
②「鹿の王(上・下) 」上橋菜穂子
③「サラバ!(上・下) 」西加奈子
④「ラプラスの魔女 」東野圭吾
⑤「下町ロケット(2) ガウディ計画 」池井戸潤
この年は「火花」一色でしたね。又吉さんの芥川賞受賞作。作者が「芸人」、お笑いタレントであることも、大きな話題になりました。芥川賞受賞作の単行本売り上げで、たしか歴代トップのはず。
誰かが言ったこんな話が記憶に残っています。
いま、子どもたちに人気の職業は「芸人」なんだよ。いつの時代も、人気の職業には若い才能が集まる。だから、芸人から芥川賞作家が出てもなんの不思議もない....と。
また、ある直木賞作家の方から「これから、視点を変えた群像をしっかり書けるようになるかどうかですね」という期待も聞きました。まだ若い作家さんですから、着実に作品を積み上げてほしいと願っています。
(ベストセラーデータはTOHAN調べ)