ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

雪が降っている 2020・年の瀬に

 今朝未明、午前3時過ぎまでかけて、堂場瞬一さんの文庫書き下ろし新刊「共謀捜査」(集英社文庫)を読んだのですが、レビューは...まあいいか。堂場作品は何回か書いているから「相変わらず面白い」ということで。

 さて、これほど「激動」という言葉にふさわしい年は滅多にない2020年が、いよいよ終わろうとしています。新型コロナによって、激動でありながら『動くな!』の年だったわけですが。五輪延期も、安倍内閣交代も、なんだかどーでもいいような気になるコロナインパクトでした。一時のものではなく、今も続くところが恐ろしい。

 年末年始など関係ないウイルスと闘うみなさんには、ただ感謝しかありません。

 一方で、そんな世に生きながら、それぞれの1年があるのもまた事実。多くのブロガーさんに習って、わたしも今年最後の投稿で365日を振り返ってみます。

 1・買い物。清水の舞台から投身自殺した、今年一番の買い物はこれ(でも、大した金額ではありませんw)。

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 川瀬巴水という人の、昭和6年作の版画です。「目黒不動堂」。木版。版木は戦災で焼失しているので再刷は永遠に不可。

 巴水のノスタルジックな木版作品に魅せられてしまい、かつappleの創業者、S・ジョブスが熱心なコレクターだったと知り、Macファンとしてはよけい弾みがついてしまいました。かみさん曰く「スタジオ・ジブリみたい」。そう言われてみればどこか...。今も毎日眺めて、少しほっこりしています。

 これ、コロナがまだ身近でなかった2月に買ったのですが、以来現在に至るまで節約に心を砕き、昼飯は最高でも税込み500円以内を原則にしています。昨日の残り物で0円で済むなら言うことなし。収入が極めて限られている生活。でもその状況をいかに楽しむか、だから。

 2・ブログ。ブログを開設して2年目に入り、今年の投稿数は102(本稿を除く)。そんなに書いたと思っていなかったので、数えてみてややびっくり。

 新型コロナの感染者は増え続けるのに、ブログの購読者はさほど増えることなく過ぎましたw。寂れた古本屋の親父を気取って運営しているので、まあそんなものでしょう。

 でも熱心に読んでもらえる方が少しだけ増え、これはとてもうれしい。(2021年もよろしくお願いします!)

 不思議なのは、解析ツールによると来訪者の30%以上がアメリカからのアクセス。アクセス元はグーグルより、Bing(マイクロソフトの検索ツール、アメリカでマイナーながら使われている)が多い。日本語サイトなのに、これ、なんなのだろう?。

 3・くーの死。ブログで何度か書いたので繰り返しません。正月が明ければ四十九日になります。さみしい。

 4・絵。なんと!、春から趣味で油絵を始めた。くーが逝ってから、黙々と絵を描くことでずいぶん救われています。

 9月、いよいよキャンバスに描く本格的な2枚目の静物に着手し、まだ完成していません。これは越年確実で、今はこんな具合です。

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 雪が、午後から舞い始めています。降雪地域には<雪曇り>という言葉があります。天からの雪に遮られ、遠景が見えなくなることを表します。

 本格的に降れば、雪曇りで近所の灯りさえ滲んで見えなくなる。今夜はそんな夜になりそう。大晦日にかけて、ときには吹雪か。雪は音を吸収するので、しんしんと本当に世界が静か。ところが風があると、空気を切り裂く音ばかりが激しく鳴いて、横に舞います。

 たとえボロ家であっても、<雪に閉ざされた隠れ家で、静かに過ごす年末年始>と思い定めれば、味わいもあるというもの。

 飢えないだけの食べ物と冷えたビール、麦焼酎さえあれば。

 マッチ売りの少女がガラス越しに見た、暖かい場所に自分がいる幸せにひたりつつ。

 みなさま、どうかよいお年を。

 来年、またお目にかかるのを楽しみにしています。