ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

古きイングランドを求めて 〜ロンドンぶらある記②

 コッツウォルズ(Cotswolds)は、ロンドンから高速道路を使ってバスで1時間半ほど、イングランド中央部に広がる丘陵地帯です。中世以降、高級羊毛の産地として栄えましたが、産業革命とともに次第に衰退。やがて忘れられた田舎になりました。

 現在、コッツウォルズは古いイングランドの家並みと自然が残る特別自然美観地域に指定され、観光地として注目されています。20近い町や集落が散在し、ここを巡るには車しかありません。

 旅行者にとってはレンタカーという選択肢もありますが、手軽なのはロンドンから運行されている日帰りツアーバスです。日本人向けのバスをチョイス。これで言葉の心配もありません。

 1日ですべての町や集落を回るのはとうてい無理。訪れたのはウイリアム・モリスも風情を絶賛したという「バイブリー」と、「ストウ・オン・ザ・ワールド」「ホートン・オン・ザ・ウオーター」「チッピング・カムデン」の4カ所です。

 この日は3連休の最終日とあって、どこも人でいっぱい。残念ながら静かに風情を楽しむ雰囲気ではなかったけれど、仕方ないですね。海外からの観光客より、マイカーでやってきたロンドンっ子などイギリスの人たちが多い印象でした。せめて写真で雰囲気を切り取りたいと撮影してみました。

 

バイブリーの家。次はホートン・オン・ザ・ウオーターへ。

 この屋根、なんと茅葺。今も人が暮らすふつうの民家です。

 コッツウォルズの建物に使われているレンガは、どれも赤でなく黄色っぽい。これは土の性質によるそうで、「はちみつ色の煉瓦」が代名詞だと聞きました。

 チッピング・カムデンの中心にある広場は、かつて羊毛の売買でにぎわった市場跡です。ヨーロッパ各地から、商人たちが買い付けに集まってきました。今は駐車場になっていて、ぎっしり並ぶ車の中に、自転車を屋根に積んだ1台が目に止まりました。

 さて、小さな集落・バイブリーには、一番広い道に沿ってコルン川が流れています。

 ガイドさんによると、この川は「ハムレット」の悲劇の恋人、オフィーリアが身を投げた川とされています。よく写真の名画で見ていたのは、なんとこの川だったのか!

 19世紀半ばに、画家のジョン・エヴォレット・ミレーが描いた「オフィーリア」は、ロンドンの美術館「テート・ブリテン」にあります。後日、本物の絵も見てきました。

 オフィーリアは川に流されながら、死んでも歌い続けていた...とか。