ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

さざんか さざんか さいたみち 〜冬の童謡と絵 

🎵〜

さざんか さざんか さいたみち

たきびだ たきびだ おちばたき

「あたろうか」「あたろうよ」

きたかぜ ぴいぷう ふいている

 

 この童謡の題名、すぐに浮かんだ人は、かなり年配の方でしょうか。ん、題名、なんだっけ..と、遠くを見る目になった方もきっといるでしょう。

 「たきび」です(巽聖歌作詞、渡辺茂作曲)。昭和になって作られた歌なのですが、野焼きが法律で禁止され、最近は田舎であってもおいそれと焚き火はできません。

 実は、ちょっと意地悪をして、冒頭に紹介したのは2番の歌です。

 1番は「かきねの かきねの まがりかど/たきびだ たきびだ おちばたき〜」ですね。

 

 わたしは冬の散歩中、知らない家の庭先に咲く花を見て、山茶花(サザンカ)なのか椿(ツバキ)なのか見分けがつきません。調べてみると、植物学の品種上は兄弟。見分けがつかなくて当然です。

 山茶花は庶民の童謡になり、椿は茶花として定着しています。

 分かりやすい違いは、散り方だそうです。山茶花は桜のように、花びら一枚いちまいが風に舞って地に散る。うちもそう。木の根本は花びらが重なって赤く、そして白くなります。

 一方で椿は、ぼこっと、花首から全体が落ちる。武士の切腹と介錯を思い出すのは、わたしだけでしょうか。そういえば茶道は、戦国時代以降の武家社会が育んだ文化です。

 

 うちの庭には赤と白、二種の山茶花が植えてあります。冬になるとまず白花が咲き、年末のころ赤花が満開を迎えます。花期は長く、2月になって盛りは過ぎたといえまだどちらも咲いています。

 昨年末、赤と白の枝先を切り、コップに差してみました。ところが暖かい室内では散るのが早い。昼に満開を切って差すと、深夜にはもう散り始めてしまう。これには驚きました。

 山茶花もたぶん椿も、厳しい寒さの中でこそ、いのちをまっとうできる花。

 赤と白の山茶花を、年末から油彩で描いています。赤は仕上げに入った段階、白はまだ道半ばです。わたしの思いつきで切り、散り急がせてしまった花のいのちを、かけらでも描き残せたらいいのですが。

 花期が終わる2月中には、仕上げてやりたいと思っています。

 

 

「山茶花」1対 サムホールサイズ、白ジェッソの下地に油彩。制作途中