ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

日々の雪譜

 昨冬は異常に雪が少なく、地球環境の行方にいっそう不安を感じたものですが、今冬は12月に1度まとまった積雪があって、何となく安心しました。そして今朝、目を覚ますと未明からわずか数時間でちょっと降り過ぎだろw...の世界でした。

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( ↑ 今朝の玄関からアプローチ方向。この後も終日雪が降り続いています)

 新幹線以外の鉄道関係はほぼストップ。むしろバスの方が雪に強くて、ダイヤはズタズタながら走っていました。新幹線は使えても、今はよほどのことがなければ東京に行きたくないしw。まあ、公共交通の混乱はそれほど珍しいことでもないのですが。

 ちなみに、雪がたくさん降ったからと言って、温暖化による異常気象が進んでいないということではありません。

 温暖化による気象変動は、何十年という単位で見ると平均気温の上昇ですが、何年という単位では異常気象による激しいブレ。年によって雪がなかったりどか雪が来たり、になります。台風ならスーパー台風の襲来とか。

 こうなると新型コロナがなくても冬ごもりしたいところですが、外出する必要があって車を出そうと雪かきに2時間。汗びっしょりになって着替えました。昼はコンビニの弁当売り場にほぼ商品がなく、配送にも四苦八苦しているようです。

 

 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

 

 川端康成の「雪国」、有名な書き出し。これ、小説だからロマンチックに脚色した描写に受け取られるかもしれませんが、まさに現実・リアルです。大学時代、わたしは何度も同じトンネルを抜けて故郷と東京を行き来しました。

 日本海側と太平洋側の気候が、トンネルを抜けることでまさに一変するのです。あ、「雪国」についてはかつてレビューを書いているので、よろしければどうぞ。

www.whitepapers.blog

 わたしは雪国の側の人間なので、この小説の各シーンがより身近に感じられたものです。そういえば東京からの特急、トンネルを抜けたところで途中下車して「雪国」の舞台になった寂れた街並みを歩いたこともありました。

 今も雪は降り続き、さて明日の朝、目覚めた時にどんな光景になっているのか。怖いような、楽しみなような...