最悪と言われる日韓関係が続く中、2019年11月期のベストセラーが発表されました。「反日種族主義 日韓危機の根源」が初登場でトップ。韓国の歴史認識の誤りを直裁に指摘し、本国で話題になった本の日本語版です。徴用工や慰安婦、竹島問題などについて、韓国の学者やジャーナリストが実証的に検証し、韓国社会に蔓延する「嘘」を指摘しています。
歴史認識とは、言葉の通り「認識」の問題ですから、そこに多様な視点が存在するのは当然です。ただし、可能な限り客観的な「歴史事実」を踏まえた上での解釈(認識)の違いでなければ、異なる認識をもつ人びとの間で議論は成り立ちません。
わたしが驚いたのは、韓国でこうした本が書かれ、かつ話題になったこと。歴史事実を伝えない教育の在り方も含め、さまざまな厳しい指摘(韓国社会にとって)が展開されます。ただし、わたしたちの側も、冷静な歴史認識に努める必要があるのは言うまでもありません。
月間ベストセラーは次のようになりました。
①「反日種族主義 日韓危機の根源」 李栄薫 編著 文藝春秋 1,600円
②「ポケットモンスター ソード・シールド 最速ダ イ攻略ガイド 」(株)ポケモン 監修/ 利田浩一 編著 小学館 909円
③「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ブレイディみかこ 新潮社 1,350円
④「鬼滅の刃 片羽の蝶」 吾峠呼世晴 矢島 綾 集英社 700円
⑤「こども六法」 山崎聡一郎/ 伊藤ハムスター イラス ト 弘文堂 1,200円
⑥「ケーキの切れない非行少年たち」 宮口幸治 新潮社 720円
⑦「ひとりで生きる 大人の流儀(9)」 伊集院静 講談社 909円
⑧「DVDでよくわかる! 120歳まで生きるロング ブレス」 美木良介 幻冬舎 1,600円
⑨「ノラネコぐんだん カレーライス」 工藤ノリコ 白泉社 1,200円
⑩「夫のトリセツ」 黒川伊保子 講談社 820円
(トーハン調べ 2019年11月期月間ベストセラー。価格は税抜き)
「反日種族主義」について、amazonの商品紹介から抜粋して引用します。
韓国を震撼させたベストセラー、日本語版がついに登場!
緊迫する日韓関係の中で、韓国で一冊の本が大きな話題を呼んでいる。
7月の刊行以来、11万部のベストセラーとなっている『反日種族主義』は、元ソウル大教授、現・李承晩学堂校長の李栄薫(イ・ヨンフン)氏が中心となり、現状に危機感をもつ学者やジャーナリストが結集。慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などを実証的な歴史研究に基づいて論証、韓国にはびこる「嘘の歴史」を指摘する。
本書がいわゆる嫌韓本とは一線を画すのは、経済史学などの専門家が一次資料にあたり、自らの良心に従って、事実を検証した結果をまとめたものであるということだ。
民族主義というより、意見の合わないものを力ずくでも排除する非寛容な「種族主義」が韓国には蔓延しており、それが日韓の関係を危機に陥らせている根源なのである。
本書は大韓民国を愛する学者たちによる、憂国の書だ。
3位の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞作。ちょっとそそられます。
「反骨精神いっぱいの母ちゃんと、エスカレーターに乗って平穏なエリート中学に進むのを拒み、地元の混沌(こんとん)とした中学に入学したクールな息子の日々の闘いと成長を描いたイカしたノンフィクションだ」(産経新聞・話題の本)。
ベスト10に小説が....ありません。寂しいので先週の週刊ベストセラー・文芸部門(12月3日調べ)のベスト3を紹介しておきます。
①「暗約領域 新宿鮫XI」 大沢在昌
②「チンギス紀(6)」 断金 北方謙三
③「人間」 又吉直樹