ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

ネット、プチ断食の日々

 30年近くにわたる、筋金入りのMac党であるわたしは、メーンの机にはノートパソコン(MacBook Air)、サブ机にデスクトップPC(iMac)、枕元のタブレット(iPad)、そして日々持ち歩くのはiPhoneです。

 改めて考えると、長い年月に渡って、画面の向こうの世界にあまりにも依存した生活。試しに夜、いきなりノートパソコンを閉じると、ふっと、現実に戻るような感覚があることは、以前から気づいていました。

 そこで2週間ほど前から、PC(Personal Computer)の<プチ・断食>に入っています。完全な<断食>ができないのは、仕事にPCと通信環境が必須だから。買い物もスマホ決済が多くて、まあ、このあたりは仕方ないかーというところです。

 その余波でブログ更新も途絶えていたのですが、この<プチ断食>、なかなか心地よいのです。SNS、オンラインゲーム、ブログその他から距離を置いてみると、日々のリアルがなんだか濃くなったような気がして。

 濃くなりすぎるとまた、ネットの世界で息抜きしたくなるのだろうけれど。

 この間なにをやっているかと言えば、今日は持病(不整脈)で定期通院の後、地元の埋蔵文化財センターに立ち寄りました。以前、三浦しをんさんの「ぐるぐる博物館」という本を紹介しましたが、この手の施設はたいてい訪れる人少ない、静かなお気に入りスポットになります。

 わたしが住むど田舎の埋蔵文化財センターには、例えばこんな展示があります。

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 これ、大昔の人たちが食べて捨てた貝殻の層(貝塚)を発掘して、再現したものです。遺跡が遺跡ではなくてリアルな生活の場だった6000年前の縄文時代、ご先祖さまたちが約500年間にわたって食べた貝の殻を捨て続けて、できた層です。

 同じムラに数十年ではなくて、500年!。ああ、気が遠くなる。

 貝殻の近くから出土し、久しぶりに太陽の光を浴びた人骨がこれ。

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 んん。これじゃあ、どんなやつかわからん!....

 ということで、最新テクノロジーで再現した顔もあります。わりとイケメンかも、と思ったわたしでした。

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 その他、石器やら土器やら、ムラで飼われていた複数の犬の骨(ていねいに埋葬してあった!。涙)なども展示してあり、声にはならないけれど、それぞれが太古のリアルを呟いていました。

 さて、5月の連休からこだわっている源氏物語は「蛍」の帖まで進み、また北方謙三さんの新刊など、読んだりもしましたが、何か書くのはしばし休憩。

 仕事の原稿ばかりは穴をあけるわけにいかず、苦しんでいます。東京五輪のアスリートたちと、大リーグの大谷くんに元気をもらい、日々が過ぎていく。

 いましばらく、ネットの<プチ・断食>を続けます。

 夏の盛り、新型コロナも新しい波の盛り、みなさまどうかご自愛を。