ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

芝と語り合う

 昨日は午後から、庭の芝生に目土(めつち)を入れて日が暮れました。目土というのは、夏にかけて芝生が葉を広げる前に、砂をまく作業です。「芽土」ともいい、前年伸びた茎が新たな砂に浅く埋まることで発芽が促され、毎年若くて密な状態を維持することができます。

 事前にホームセンターで砂300キロを注文、搬入してもらいました。これを一面にまき広げ、レーキでならし、仕上げは掌で葉と葉の間に擦り込みます。素手なので掌はぼろぼろになります。

 まんべんなく砂を擦り込んでいると、掌を通して芝や地面と対話しているよう。何だか宗教じみていますが、その感覚があるからできる地道な作業です。ふう、...とため息つけば、すでに日暮れ間近。

 ちなみに目土は、建設用材売り場にある砂を買います。園芸売り場には「芝生用目土」という5キロの袋詰め商品もありますが、うちは使う量が半端でないし、そもそも芝の管理に慣れれば、普通の土木作業用の安い砂で十分です。

 肥料をまき、5月の終わりごろには今年の芝生が緑を広げてでき上がります。その後は、定期的な芝刈りが始まり、特に真夏の芝刈りは体力勝負。でも、緑に癒やされたいなら欠かせない管理です。

 毎年、冬に芝が枯れ、春に目土を入れ、初夏に緑がよみがえる。その繰り返しが30年以上続いています。6月の芝は、こんなふうになります(過去写真)。

 昔はこの芝で3人の子供たちが遊び、バーベキューで騒ぎ、みんな家から巣立ってからは、放し飼いにされた老犬・くーが独占する遊び場でした。そのくーも逝ってしまい、今は静かです。

 だれもいなくなると、砂を擦り込みながらの地面との語り合いが密接になります。「今年も元気になれよ」「お前さんもな」と、残った2人がいたわり合うような。

 この日、午前中は仕事と格闘。夜も飲みながら、キーボードを叩いて仕事でした。