ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

最近の<マイ・ブーム>

 仕事始めの日になって、いまさらですが

 明けましておめでとうございます。

 個人的には比較的静かな年末年始でした。大晦日は、部屋にこもって絵を描きながら正月を迎えました。このところ空いた時間には、本を読むより油彩に集中してリフレッシュしています。

 年末年始はコラムの締め切りがイレギュラーなのに加え、ある方の自伝のリライトに今も追われ続けていて、こうなると読書より言葉以外の何かで気分転換したくなります。現状の自分にぴったりなのは細筆を持ち、こつこつ画面を絵の具で埋めていくことなのです。

 以前も書きましたが、わたしが住む市にあるバードウオッチングの施設内に、モズの巣が展示してあります。これをモチーフにしようと決め、キャンバス(F10)の下塗りをしたのが10月、最初の線を入れたのは11月で、以来、牛歩どころか亀よりのろい前進です。

 ようやく、下の方が少し形になってきたところ。2022年末までに仕上げたいというのが、年頭の目標です。

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 極細の筆を使い分けて描くので、2時間かけて枝1本くらいのペース。1日に2、3本もかければ上出来といった具合です。それで結構、ぐったり。ただぼーっとする気分転換がある一方、むしろ関係のない何かに入り込んだ疲労感のほうが、深く自分をレフレッシュしてくれる気がします。

 油彩は普通、細筆や太筆を駆使して、もっと大胆に描いていくのでしょうけれど、わたしにそんな芸当はできません。極端に言えば、線の1本でもおろそかにすることは実在するモチーフ(モズの巣)に申し訳ない!と思うのです。どの枝も親鳥が1本1本、探し出して咥えてきて、ここに組み上げて、こうして巣があるのだ...とか何とか考えつつ。

 ....と、偉そうに言っても、100パーセントの写実を実行することは困難で、デッサンの狂いは必ずあちこちに隠れているから、細部では細線の取捨選択を迫られ、よく<ロダンの「考える人」状態>に陥るのだけれど。

 ちなみに、いつもモチーフを見て、頭どころか体に入れてしまいたいので、去年からパソコンのデスクトップもこのモズの巣の写真に変えてあります^^;。

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 写実は、突き詰めるほど写真に近づくように思えますが、面白いことに、ガラスレンズ&機械を通した結果の写真と、人の目と体を通過してできた絵とでは、存在感やまとう空気感が決定的に異なるのです。それは絵の具個々の発色、盛り上がりなど物理的な違いだけで済まされない何か。

 ↑上のやや偉そうな蘊蓄、わたしごときの油絵がどうかではなく、現代写実の秀作を集めたホキ美術館(千葉市)に行けば、圧倒されるようにして納得できます。

 さて、とりあえず新年の1本目のブログは書けたので、夕食後はちびちび焼酎舐めながら、今夜もお絵かきに励みます。