ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

小春日和

<小春日和>

 

死んだ夏の虫を

低い太陽が温めている

 

あいもにくしみも漂白した空の高さ

 

地の底で

蒼い静脈がひとすじ ひそかに切れた

遠い山あいの窪みで

雲を映す水面(みなも)が 小さく波立つ

 

だれも見ない

だれにも聴こえない

 

けさ郵便受けに絵葉書が届いた

青インクで記された宛名は どうやらわたしらしい

 

わたしは人間のかたちをし

差出人を懸命に思い出そうとしている

 

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 郵便受けに今日、おせち料理を売り込むホテルのDMが届きました。そこからふと、何か書きたくなって....。

 そんな発作?が、ごく稀に訪れます。若いころ小説や詩を書いていた後遺症ですね。

 わたしがブログでお付き合いしていただく中には、俳句を楽しむ(しばしば苦しむ?)方がいらっしゃいます。わたしの場合、自分の言葉で何かを表現しようとすると、こんな<詩もどき>の数行になります。

 どうか笑ってお許しください。