ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

今日あった3つのいいこと

今週のお題「最近あった3つのいいこと」

最近あった3つのいいこと

 玄関の郵便受けに、町内のラジオ体操の案内が入っていました。

 わたしが暮らす近隣は、夏休みになると近くの公園で朝のラジオ体操が始まります。近年は子供だけでなく大人、とりわけ高齢者の参加も歓迎らしい。

 参加印を押してもらうカードを首から下げて、眠い目をこすりながら毎朝ラジオ体操に通ったものです。あれから半世紀以上。

 近所の子供たちはみんな寝ぼけ顔で目をはらし、男の子なら半ズボンにランニングで「ラジオ体操第一」をやった。「やった」と書いたのは、間違っても「励んだ」とか「真剣に汗をかいた」とはいえないからです。

 ふと、ささやかなタイムスリップをもたらしてくれた、1枚の案内チラシに感謝しなければ。

 そしてラジオ体操の思い出はもう一つ、懐かしい味の記憶を呼び覚ましてくれました。

 肝油。

 ラジオ体操から帰ったら、砂糖をまぶした赤い肝油を一粒、口の中で楽しむのが一日の始まりでした。

 調べてみると昭和7年に発売された、ビタミンAとDの補給剤なんですね。今もネットで注文できます。改めて買う気はないけれど^^。

 思い出の味はそのままにしておいた方が、繰り返し味わえる気がするし。

 

 戦後の昭和、田舎の頑固な職人の子に生まれ、気づけば自分も高齢者になって、朝は砂糖ミルク抜きのコーヒーで始めます。

 ここ20年近く、鳥取県にある<澤井珈琲>店から、苦い深煎りの「オールドブレンド」という豆をネットで買っていて、その豆を挽くミルの音で眠気を飛ばします。

 ...なんて書くと、偏屈でこだわりいっぱいのじいさんですが、なに、冷蔵庫にはスーパーで買った1本88円のペットボトル(無糖コーヒー)も常備してあって、わざわざドリップするのが面倒な日はそちらです。

 ペットボトルの味、侮ることなかれ。食品における企業努力は、冷凍物をはじめとしてあれこれすごいと思う。今朝はドリップしたけれど。

 

 ささやかなタイムスリップ、肝油、オールドブレンドの香り。今日あった3つのいいことかな。

 

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