ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

2023-11-06から1日間の記事一覧

辿りつけば 哀しく清々しい愛 〜「存在のすべてを」塩田武士

ぐいぐい引き込まれていく、ページをめくるのが楽しい。それは小説が持つ大きな力です。「存在のすべてを」(塩田武士、朝日出版社)は、久しぶりに読書の醍醐味を与えてくれました。 30年前の未解決誘拐事件。銀座の画廊に長く秘蔵される、無名画家による類…