覚悟はしていたけれど、9月になっても37度を超える日本の暑さ。羽田空港のビルを出たとたん熱気に包まれ、汗が吹き出しました。昨日(2025年9月2日)、2週間ぶりにロンドンから帰国しました。
ロンドンの緯度は北海道より北で、樺太と同じくらい。わたしの滞在中は暑い日でも最高気温が25度ほどで、日本なら10月中旬から下旬の気候でした。ロンドンに暮らす長女によると「冬は寒いけれど雪はあまり降らない」そう。
滞在中の<下宿先>になった長女一家の自宅に、暖房装置はあっても冷房のエアコンはありません。
今回は2年半ぶりに帰省した長女と小学生の孫娘2人に付いて、ロンドンまで押しかけたのでした。出発前、楽しみにしていたのは美術館巡り。ヨーロッパの美術館といえばルーブルが思い浮かびますが、ロンドンのナショナルギャラリーも充実した収蔵品と規模を誇り、他にも魅力的な美術館に事欠きません。さらに、世界の文化財を集めた大英博物館があります。
それらの訪問体験は稿を改めて書くとして、まずは日々の印象記から。
13時間のフライトを経てヒースロー空港に到着した瞬間から、困ったのは英語。会話のスピードに全くついていけません。
「This is a pen」(じす いず あ ぺん)から始まった昔の英語教育。昭和生まれの高齢者に、英会話はハードルが高すぎる。そもそもそんなフレーズ、人生において真剣に口にしたことのあるイギリスもしくはアメリカ人なんて、いないだろ。英語教育は「Halo...」か「Hello...」くらいから入ってほしかった。と、真剣に怨む。
結局、長女か孫娘がいれば頼りっきりでした。とはいえ、いつもそばに彼女たちがいるはずもなく。
滞在が始まり、さて、ロンドンといえば思い浮かぶのはパブ。さしずめ「庶民の食堂」で、街のあちこちにあります。テラス席が歩道まではみ出し、みんな昼からビールを飲んで食べて楽しそうにしゃべってる。わたしもよくお世話になりました。
まず席を確保し、カウンターに行って注文します。カウンターには各種ビールの絵入りコック(栓)が並んでいるので、どれか指差して
「ワン パイント プリーズ...」
と言えば、パイント(568ml)グラスになみなみとついでもらえます。食べ物の定番は、白身魚のフライとポテトフライを盛ったフィッシュ&チップス。で、
「...アンド、フィッシュ&チップス プリーズ」
その場で前払いが原則。あとはグラスを持って席に戻り、飲んでいると料理が運ばれてきます。ちなみに外のテラス席はたいてい灰皿が置いてあり、街中のゴミBOXにも灰皿が付いています。歩道に吸い殻が落ちていることも珍しくなく、タバコに関しては日本よりよほどゆるい。
パブやコーヒーショップで注文するとき、ふつうは「May I have....」を頭に付けて、ほしいものを伝えるそうですが(孫娘に教わったw)、なに、単語の羅列と身振り手振りでなんとかなります。
一度、どうにもコミュニケーションが成り立たず、「どこから来たのか」と問われ、「Japan」と答えると、向こうがやおらスマホを取り出して英語をうちはじめ、Google翻訳で日本語にして示してくれました。便利な世の中だ。

(pub店内。手前に並ぶのがビール各種をグラスに注ぐコックです)

(これはビールと2皿、ちょっと豪華なお昼で孫娘たちとシェア)
ちなみに、料理を注文すると必ず「○×△〜〜」と話しかけられます。最初は『??』でしたが、要は「おまえ、食品アレルギーはないよな?」と、確認されているのです。それが分かれば、以降はどの店でも「ノー」でok。
同じように、スーパーやショップの買い物も、レジで「△○○〜〜」と聞かれますが、これは「買い物袋は必要ですか」という問いかけです。最初は『?』でした。必要に応じで「ノー サンキュー」「イエス プリーズ」。
美術館を訪ねたあと、パブのテラス席でビールを飲みながら、風景に溶け込んで行き交う人たちを眺めているひととき。あるいはサンドイッチと飲み物を買い、「午後はどう過ごそうか」と考えながら、街中の小さな公園のベンチに座って食べているとき。
同じように、昼飯を安くあげようと軽食を買い、食べる人たちがあちこちのベンチにいます。肌の色はさまざま。「あの人は近くのオフィスで働くビジネスマンかな」「あっちの家族連れは観光客か」.....。ひとしきり眺め、わたしもサンドイッチをがぶり。こんな時間が、観光名所よりよほどイギリスを実感できました。
パブはもちろんショップ、地下鉄、バスなど支払いはすべてカードのタッチ決済。ICチップの付いたカードなら、問題なくイギリスで使えます。ただし、物価の違いには要注意。パブでビール1、2杯と料理1皿で軽く5000円以上になります。
観光名所のロンドン塔の場合、入館料が35ポンドでほぼ7000円。わたしは外から眺めるだけにしました。

(数々の血生臭い歴史を刻んだロンドン塔)
日本の感覚でお金を遣い、気軽にカードで決済していると、後日の請求がとんでもないことになります。特に、滞在期間が長い場合は。思わず日本の国力低下とバブル後の「失われた30年」について、しみじみ考えたりしました。
わたしは朝食と夕食は長女の家でお世話になり、しばしば一緒にスーパーに行き、缶ビールとアイリッシュウイスキー、ブルーチーズなんぞを買っていました。
長女一家が暮らす家は、市中心部から外れた住宅街にあります。建物は石やレンガ、地震がほとんどないため、古い街並みが残っています。ガーデニングが盛んな国なので、玄関前の庭はどこも手入れされ、散歩するだけで見飽きません。
<下宿先>の庭に、近所で飼われているネコがよく遊びにきました。わたしもすぐに仲良しになりました。



