風景論
夢のなかで空を飛んでいるとき、鳥になったわけではない。
わたしはいつも人のかたちをし、不器用に苦しんで宙をさまよい、地に戻れないでいる。
西暦2024年11月19日。運転中の交差点で、
銀杏並木の向こうに、山脈と空を見た。
鳥になって、風になって、彼方へ還りたいと思った。
醒めた目に映る風景に、求めていた夢の断片を見つけたから。
そしてあなたは、どこへ還っていったのか。
谷川俊太郎さんが亡くなりました。己をわきまえず「追悼の詩」などと思ったのですが、こんなのしかできません。詩人じゃないけれど、精いっぱい詩人になったつもりで。写真はその日シャッターを押した、わたしが暮らす地のワンショット。
下はむかし書いた谷川さんの記事です。