思ひ出のひとつひとつが年ごとに光増しゆく齢となりぬ
この短歌を詠んだとき、作者100歳。
雪のせてピンクに笑まへる梅一輪
この俳句は103歳の詠。
作者の宮﨑浪子さんは今年、2020年10月で104歳を迎えました。誕生日に合わせて刊行されたのが「歌集 銀の糸道」(私家版)です。
宮﨑さん、耳は少々遠くなっていますが、頭脳は今もクリア。夏に体調を崩して一時入院しましたが、現在は自宅に戻ってまた家族と過ごしていらっしゃいます。
戦後間もなく街中から田舎の農家に嫁ぎ、田畑で泥にまみれながら子供3人を育て上げました。長く心の支えにしてきたのが短歌です。104歳にして初めての歌集がこの1冊。まとめるに当たり、ほんの少しだけわたしもお手伝いさせてもらいました。
歌人の黒瀬珂瀾さん(読売歌壇選者)から、さっそく地元紙に作品鑑賞を寄せていただいたので、わたしのつまらない解説よりそちらを紹介することにします。
短歌に関して、わたしは門外漢なので良し悪しも含めてよく分かりません。ただ、100歳を過ぎてなお、短詩に向き合い、言葉を紡ぐ姿に感嘆するばかりです。
どうかいつまでもお元気で!