ことばを食する

私的な読書覚え書き。お薦めできると思った本を取り上げます

4位に浜崎あゆみノンフィクション 〜2019.8.6 週間ランキング

 1位、2位は先週と変わらず。4位に小松成美さんの「愛すべき人がいて」が初登場です。小松さん、わたしにはサッカーを中心にしたスポーツのノンフィクションライターというイメージが強いのですが、この新作は少し気になります。

 同じく初のトップ10入りした、8位の「『大家さんと僕』と僕」は、1位「大家さんと僕 これから」の番外編だそうです。作者の矢部さん、77年生まれで、お笑いコンビ・カラテカのボケ担当。又吉直樹さんもですが(ボケ担当も同じ)、芸人と二足のわらじを履く人の活躍が目立ちます。

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週間ベストセラー<総合>2019年8月6日調べ TOHAN (価格は税抜き)

1位「大家さんと僕 これから」 矢部太郎 新潮社 1,100円

2位「時間の花束 Bouquet du temps」 三浦百惠 鷲沢玲子 特別協力 日本ヴォーグ社 2,000円

3位 「おもしろい!進化のふしぎ もっとざんねんないきもの事典」 今泉忠明監修 高橋書店 980円

4位「愛すべき人がいて」 小松成美 幻冬舎 1,400円

5位「むらさきのスカートの女」 今村夏子 朝日新聞出版 1,300円

6位「心。」  稲盛和夫 サンマーク出版 1,700

7位 「おしりたんてい かいとうと ねらわれた はなよめ」 トロル 作・絵 ポプラ社 980円

8位「『大家さんと僕』と僕」 矢部太郎 ほか 新潮社 1,000円

9位 「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 大島真寿美 文藝春秋 1,850円

10位「希望の糸」 東野圭吾 講談社 1,700円

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 小松成美さんの名前が、いきなりベストセラー総合ランキングに出てきて、実は驚きました。「愛すべき人がいて」が、浜崎あゆみという歌姫を取り上げたのだと分かり、納得。そっちの人気か。まあ人物に迫るノンフィクションはみんな、取材対象の隠された、だれも知らなかった魅力をいかに彫り上げるかですから。

 わたしは30代半ばから、文学書を離れてノンフィクションしか読まなかった期間が、10数年もありました。ライターが1個人として、いかに事実や他者に迫るかという、リアルにしか興味が持てなくなったのです。アメリカのニュージーャナリズムを原点にした一群の流れがあって、一方でルポルタージュという手法もあり、どっちにしろ面白いのはリアルだよな、みたいな感じ。そんな時期に出会ったライターの一人が小松さんでした。

 一連の『大家さんと僕』シリーズ、読みたい気持ちはあるのですが、マンガ本に1000円以上使う気になれないわたし。うーん...。

 さて、5位、9位に今期の芥川、直木賞が頑張っているのはうれしいですね^^