ことばを食する

くーの、極めて私的な読書覚え書き。誰かにお薦めできると思った本を取り上げます

2014、2013年 ベストセラー回顧

 この稿を書きながら、読んだ本をちらちら再読したりして、予想外の時間がかかりました。しかもほんの数年前の本を探し出すのに苦労したり。もっと部屋の整理しないとだめですね。分かってはいるんだけど...w

 2014年(平成26年

主な出来事 STAP細胞論文発表(1月)12月までに検証で細胞再現できず 消費税8%に(4月) 広島豪雨74人死亡(7月) 御嶽山噴火で57人死亡(9月) 高倉健さん死去(11月)

【総合】

①「長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい」鬼木 豊 監修/槙 孝子

②「忍耐の法 『常識』を逆転させるために」大川隆法

③「人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法」水野敬也 長沼直樹

④「村上海賊の娘(上・下)」和田竜

⑤「銀翼のイカロス 」池井戸潤

【単行本 文芸書】

①「村上海賊の娘(上・下)」和田竜

②「銀翼のイカロス 」池井戸潤 

③「女のいない男たち」西加奈子

④「虚ろな十字架 」東野圭吾

⑤「ロスジェネの逆襲  」池井戸潤 

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 STAP細胞論文で始まった1年でした。小保方さんは割烹着で実験する写真とともに、一躍時の人に。間もなく「論文に不自然な画像」と指摘され、STAP細胞自体の真偽が連日のニュースになりました。 

 「村上海賊の娘」はこの年の本屋大賞、吉川英治新人文学賞受賞作。信長と大坂本願寺の戦いを、村上水軍の視点から、しかも当主の村上武吉の娘を主人公においたところが斬新でした。歴史は、視点が違うと見え方ががらりと変わるところが面白い。物事を見るときに「複眼の視点」とは、よく言ったものですね。

 和田さんのデビュー作「のぼうの城」もそうでしたが、戦国時代を舞台にした歴史小説に、新しい風を吹き込みました。

 それにしても総合トップは「長生きしたけりゃ---」。うーん、やはりこの手の本がよく売れるんですね。

 

2013年(平成25年

主な出来事 アベノミクス始動(1月) 参院選で自民圧勝「ねじれ」解消(7月) 2020年東京五輪開催が決定(9月) 徳洲会5000万円問題で猪瀬東京都知事辞職(12月)

【総合】

①「医者に殺されない47の心得」近藤 誠

②「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

③「聞く力 心をひらく35のヒント」阿川佐和子

④「海賊とよばれた男(上・下) 」百田尚樹

⑤「ロスジェネの逆襲 」池井戸潤

【単行本 文芸書】

①「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

②「海賊とよばれた男(上・下)」百田尚樹

③「ロスジェネの逆襲」池井戸潤

④「ホテルローヤル」桜木紫乃

⑤「謎解きはディナーのあとで(3)」東川篤哉

 

  総合1位の近藤誠さんは若い頃から、患者に負担が大きい抗がん剤治療を初めとしたがん医療に疑問を呈してきた医師。主張はときに過激でさえあり、しかも慶応大学病院の医師であるという立場が話題をよんできました。私は標準治療を否定する近藤さんの立場に全面賛成しませんが、医療全体として見たとき、多様な意見が表れてくることは悪くないと思います。

 医療がすべての病気に対して完全ではない以上、患者が別の選択肢を知ることは必要でもあります。もちろん選択の権利と同時に責任も、患者自身にあるという前提でのことですが。

 前年12月の衆院選で自民党が圧勝し、2013年は年明けから社会の空気ががらりとかわった記憶があります。アベノミクスが始動。「海賊とよばれた男」「ロスジェネの逆襲 」は、こうした風にぴったりの小説だった気がします。

 文芸書の4位に直木賞の「ホテルローヤル」。私が桜木柴乃さんを読み始めたのは、この作品からでした。

 

 (ベストセラーはTOHAN調べ)