ことばを食する

くーの、極めて私的な読書覚え書き。誰かにお薦めできると思った本を取り上げます

ごあいさつ+掌編、雑文

ウオーキング継続中 はてなスターは休止 〜近況など・雑文

12月が迫り、紅葉シーズンも終わりが近づいてきました。わたしは降雪地帯に住んでいるので、これからなかなか晴れ間がなく、風が冷たい冬は趣味のウオーキングが辛い季節になります。 それでも完全防寒で歩きますが(もしかしたらアホかもしれません)、歩行…

地球の石っころ(掌編 その3)

夜行列車というものをご存じでしょうか。ケンイチが子どものころ、自分が把握できる世界の縁より、さらに遠くへ行くためには夜行列車に乗りました。少なくとも一度は夜が明けなければ、別の世界へ行けなかったのです。思い返せばとても自然で、リアルな世界…

助け合う心 〜雑文・長野市豊野地区にて

日本の広範囲にわたって甚大な被害をもたらした台風19号から、2週間余りが過ぎた2019年10月28日、わたしは千曲川の大規模氾濫に襲われた長野市豊野地区を訪れました。午後3時過ぎ、作業を終えて帰途につく災害ボランティアとすれ違いました。両手にゴミ袋を…

私的ノンフィクションのすすめ 〜雑文

「事実は小説より奇なり」という、使い古された言葉があります。わたしにとって、これには二通りの解釈があります。 1つ目。小説家がどんなに派手に想像力を働かせても、現実に起きる展開には及びません。地震、原発、スーパー台風、テロなどを描いた小説は…

ブログオープン4カ月のご報告

窓からキンモクセイが風に乗って香ってきます。5月下旬にこのブログを開設し、4カ月と少しになりました。当初はとりあえず3カ月一生懸命やって、その結果を見て運営方法に修正を加えようと思っていました。気づけば今日から10月になり、一度立ち止まることに…

道草(掌編 その2)

ケンイチが初めて文庫本に出合ったのは、中学校に入学した日でした。排気ガスをまき散らして車が行き来する国道8号線を挟み、向かいに住む「鷲本先生の奥さん」から、入学祝いにと岩波文庫の芥川龍之介をもらったのです。小学校を卒業したばかりの子どもにと…

DUOのこと、Eのこと  〜雑文

Eが死体が見つかったのは、2月の寒い朝だったそうです。夜、大学の後輩からかかってきた電話が、前後の様子を伝えてくれました。後輩は淡々と話しました。学生時代、彼はEの文学観と才能に傾倒していました。だからこそ感情を抑えようと、静かな口ぶりになっ…

本屋さんへのレクイエム 〜 雑文

仕事や個人的な旅行で、けっこう日本のあちこちを訪れました。旅先でぽっかり空いた時間が出来たとき、楽しみなのが、当てもなく街中を歩き回ることです。スマホで美味しい店とか安い飲み屋とか、観光スポットを探すわけでもなく、ただぶらぶら。 賑やかな街…

トマトのお話 (掌編 その1)

トマトは、たっぷり砂糖かけてかぶりつくのが一番、という人はあまりいないと思います。ゼロではないだろうけれど極めて稀、というところでしょうか。 さて、これは前回の東京オリンピックよりさらに少し昔の、トマトのお話です。 排気ガスと騒音をまき散ら…

はじめに..

本との最初の出会いを記憶に辿ると、曖昧な映像や感情の痕跡が漂う深海を、手探りする気分になります。触れてくるものはあるけれど、確かなものをつかみ取ることができません。 あきらめて少し水面に向かうと、ようやくしっかり輪郭を持った記憶がいくつも現…